『月刊ムー別冊 世界超科学百科』

今回、青森から持ち帰ってきた本の中に
『月刊ムー別冊 世界超科学百科 異端の天才科学者たちと謎のエネルギー装置』
というのがある。昭和60年発行とあるから、1985年か。
僕が小学校の頃に買ったものだ。
暗くて引きこもってて、UFOだとか四次元だとか超常現象だとか、
そういうものにしか興味のなかった頃。
図書館で借りる本、お小遣いをもらって買う本のほとんどがそういうのだった。
雑誌の『ムー』そもものよりも、シリーズで出している新書っぽいのが多かった。
その大半は大人になっていく過程のどこかで売られたり捨てたりした。
その中で何冊か手元に残していたうちの1冊が、今回の本だ。


なぜこれかと言うと、毛色が違うんですね。
眉唾な話が多いとはいえ、結構真剣に「科学」的。
信じるでも信じないでもなく、客観的に、
かつてこのようなことを仮説として考え、実証しようとした人たちがいた、
という事実のみを伝えるスタンスがいい。変に擁護しない。


目次を書き写してみる。


―――――――――――――――――――――――――
超科学の世界1・超科学装置編
 ニコラ・テスラ世界システム
 エジソンの霊界通信機
 無限エネルギー増幅器の謎
 未来を見る超次元カメラ
 反重力装置は完成したか
 ラコヴスキーのガン治療器
 恐怖のヒエロニムス・マシン
 ライヒのUFO撃退装置
 バイオフィードバック


超科学の世界2・謎のエネルギー篇
 悲劇のオルゴン・エネルギー
 生体エネルギーを写しとったキルリアン夫妻
 オーラメータを発明したヴァーン・カメロン
 メスメルの”動物磁気”治療
 ライヘンバッハ男爵の「オドの力」


永久機関 2色ワイド特集
 オルフィレウスの自動輪
 古典的永久機関と熱力学
 現代の永久機関エマ・モーターの謎
 エレミヤ33と永久磁石モーター


人類進化論
 人類7段階進化説
 天使的進化論ネオテニー
 進化論と反進化論
 巨人伝説の謎


超科学の宇宙
 ヴェリコフスキーの衝突する宇宙
 ブラックホールとホワイトホール
 第10番惑星
 「重力波」をキャッチせよ!
 5次元宇宙の謎
 宇宙の運命を握るニュートリノ・ミステリー
 亜光速で遠去かる怪天体クエーサー

 
ニューサイエンス
 ホログラフィック・パラダイム
 形態形成場理論
 生き残るためのダブルバインド理論
 ガイア仮説
 シンクロニシティ共時性


―――――――――――――――――――――――――


エジソンの霊界通信機」なんてタイトルからしてほんまかいなと思ってしまったり、
いくつか「いやー、それはないだろ」というのも読んでみるとありますが、
ニュートリノやホログラムってのは当時の新奇な科学を伝えるって感じであって
そこにUFOだの怪奇現象は関係してこないんですね。


シンクロニシティやヴォルフガング・パウリ、ダブルバインドガイア仮説
クエーサー、イマヌエル・ヴェリコフスキー、ネオテニー、動物磁気、
ニコラ・テスラ、ウィルヘルム・ライヒといった周縁寄りの科学は
僕、ここから覚えたことになる。
そして今振り返ってみても、そこに間違ったことは書かれていなかったように思う。
専門用語だらけってことはなく、理解しやすかった。
意外と名著だったのでは・・・


遠ざかって20年以上になるんだけど、『ムー』ってまだあるんですね!?
さっき amazon で検索してみてびっくりしました。
最新号の特集が「徹底解明!! 開運パワースポットの謎」となっていて、時代を感じた。
ルネサンス名画の中のUFO」とか「[保存版]最新UMA図鑑」とか。
よくネタが尽きないよなあと思うが、
実際は寝かして起こして、ちょっと視点を変えてという使いまわしなんだろうな。
どんな雑誌だってそうなんだけど。


南山宏がまだ連載してるということを知って、嬉しく思った。
この人の「ちょっと不思議な話」という以前の連載がとても好きで、
偶然の一致であるとか世界中の不思議な出来事を集めたもの。
本にまとめられたのも持っている。
日本版ロバート・リプレイ「信じようと信じまいと」