ベルリン その20(2/7:ベルリン&フレンズ)


その後、ライヒスタークのドームが開いているだろうか?
と10分ほど川沿いに歩いて行ってみるが、やはり閉まっていた。
改修中とか何かしらの理由でこの期間閉まっているのか、それとも月曜が休みなのか。
残念。引き返す。
地下鉄に乗って Kochstr. へ。昨日の熱気球まで行ってみる。
これも強風のため今日も休み。また引き返す。
Sバーンで Zoologischer Garten まで戻る。
14時過ぎ。少し早いが、残りはこの近辺で過ごそうと思う。
ホテルの部屋に買ったばかりの写真集2冊を置いて、また外に出る。


ここ、Zoologischer Gartenはカイザー・ヴィルヘルム教会というのが観光名所で、
地図を見るとホテルの目と鼻の先ということになっているのに
それらしき建物が見当たらない。
目の前には工事用のシートで全面覆われた細長いビルがあるばかり…
あ、これか。よく見ると尖塔がちょこんと頭を覗かせている。
あーだからこの周りに土産物屋とかカリーヴルストのインビスが多いのか。
入ってみるが、工事中ということで入り口まで。
ガイドの若者がドイツ語でその歴史を解説していた。
19世紀末に建てられたが、1943年の連合軍の爆撃によって破壊される。
そしてそのまま後の世代への教訓として残されている。
壮麗なモザイク画。19世紀末の勇敢な兵士たちを象ったレリーフ


外に出る。Zoologischer Garten と言えばもう1つ有名なのが名前の通り動物園。
これもまた全面的に工事中…。工事現場の柵で覆われている。
どうりでこの界隈に賑わいがなかったわけだ。閉まってる土産物屋も多い。
なんか今日はことごとく見たかったものが見れず。


バスのターミナルに行って、明日の朝早くバスが走ってないか時刻表を調べた。
X9ラインは始発が03:30で次が03:48となっている。早過ぎ。
フライトは07:05でその2時間前には着いていたかったのだが、
これだとバスに乗っていけばよく、タクシー代を払う必要がない。よかった。


土曜に訪れたヨーロッパ最大のデパート「KaDeWe」に行って追加で土産を買うことにする。
クアフュルステンダム通りを西へ。
途中、「ヨーロッパセンター」というのを通り抜けていく。
何を目的としたビルなのかよく分からないんだけど
上の階がオフィスビルとなっていて、下の階がショッピングセンターのようだ。
ピカピカしたジャスコという印象。
土曜にここの前を通りかかったときに「Internet」と書かれた看板を見かけたような気がするのだが、
それらしき場所は見当たらず。
iPhoneを接続しないことにしたので、日本を出てからインターネットに接していない。
どこかにありそうなんだけど、ベルリンはインターネットカフェみたいなのを見かけない。
もっと真剣に探せばあったのだろうか?
(日本に帰って来て気になって調べてみたら、確かにこの近辺にあったようだ。
 日本語が使えて30分2ユーロ。利用すればよかった)


「KaDeWe」の6階へ。先日のお土産系お菓子売り場にて、クッキーの詰め合わせを追加。
チョコレートの詰め合わせも2種類、念のため追加する。


これでもうお金を使うこともないか。
小銭は持ち帰っても両替できない。
通りを歩いて気になっていた物乞い2人にあげることにする。
1人は土曜に見かけた40代ぐらいの普通の格好をしたドイツの女性で
店の軒先の固い床に正座して右手にカップを持っていた。
2ユーロと余っていた小額の小銭。
もう1人はトルコかそちらの方から移民で来たと思われる母娘。同じく2ユーロ。


ホテルの部屋に戻る。買ってきたクッキーなどを置く。
最後の日の夜はカリーヴルストで缶ビールと思っていたので
近くのどこかに買いに行くことにする。
いや、待てよ。どうせなら有名なところで買って食べよう。
ガイドブックを見てみたら、ここ Kurfurstendamm の駅から2つ先の Guntzelstr. 駅に
「Currywurst Berlin & Friends」という店があって
ここは『ベルリン・天使の詩』の撮影にも使われたという。
マリオンと刑事コロンボが出会う場面とのこと。ここだ!


地下鉄に乗って、Guntzelstr. へ。地上に出てすぐだった。
土曜のコノプケス・インビスのように行列になっていない。
確かに『ベルリン・天使の詩』のスチール写真が壁に飾られている。
ポテトなしのカリーヴルストが1.7ユーロ。
店先のカバーの中に置いてあった、
トレイに入った豚肉と玉ねぎの串が気になって何なのか聞いてみたら
コンロにかけた鍋を指差して、自家製ソースをかけて食べるという。
じゃあそれもと2.5ユーロ。
テイクアウトにしてもらったらアルミホイルでグルグル巻きになった。
持ち帰って部屋で開けたときにもアツアツだった。


17時前。さっそく缶ビールと共に食べてみる。
ここのカリーヴルストはまさにカリーヴルストなのだと思う。
ケチャップとカレーパウダーをかけただけのソーセージではなく。
ケチャップをベースとしつつも、濃厚な味になるまでスパイスを加えてつくりこんだソース。
もう1つの煮込みもグッと来る味だった。
(串のままソースをかけているのではなく、串を外して煮込んでいる)


買ってきた写真集を見る。
『In einem stillen Land』は
1人の写真家が1965年から1989年にかけて
東ドイツの名もなき市民の生活を淡々と切り取ったものだった。
生きて生活している限り、それがどこであろうと人々の喜怒哀楽というものは変わらない。
工場で働き、水着を着て水浴びし、ロックに憧れる若者たちがいる。
結婚式と行進と。トランプに興じる兵士たち。
衣装を着て、舞台は今、幕を開けようとしている。


もう1つの『Die Mauer』はコール元首相の名前があって、監修ということなのだろうか。
1961年から1992年にかけての報道写真を集めたもの。
それぞれの写真に短いキャプションがドイツ語と英語で。それを読みながらページをめくる。
写真の1つ1つが、その瞬間の1つ1つが、歴史的な重みをずっしりと感じさせる。
国境となる橋を見守る兵士。屋根の上に立ち、泣きながら西側に手を振る女性。 
壁を越えるときに銃弾を受けて重態となりながらも命を取り留めた若者。
西側、何も知らずに壁の近くで無邪気に遊ぶ子供たち。
壁が崩壊する1年前、1988年に射殺された女性の写真を目にしたとき、
歴史の残酷さに思わず涙が出そうになった。
あと1年耐えることができたら、自由になれた。
しかし東ドイツに暮らす一般市民にはそんな未来は想像できなかった。


缶ビールを3本立て続けに飲む。
EURO SPORTでは先日に引き続き女子バイアスロンの試合を中継し、その後男子のジャンプ。
日本からは伊東大貴が出場していた。なかなかの好成績だった。
(そういえば、女子スキージャンプの国際大会ってないですね)


荷物をまとめて、あとは翌朝出るだけにする。
EURO SPORTはサッカーのトルコ対オランダ、それがダイジェストですぐ終わって、
次に力自慢系の競技へ。
橇の上に乗せた巨大なタイヤに民族衣装を着た女性3人が乗って
それを地面に置いた梯子の上で引っ張るというもの。
次に、「Farmer's Mill」というので、ものすごい重さと思われるミルクポットを両手に持って、
ポールとポールの間を一周する。
ウクライナの女性が登場し、ウクライナでの新記録を達成する。
ものすごい形相で競技に臨んでいた。


明日は早いと20時に眠る。