4日目

4日目、月曜日。
普通に起きて、普通に出社する。会社からは特に連絡はない。
今日は開くだろうと信じて、図書館に持っていく本を紙袋に抱えながら。
出る前に東京メトロのサイトを見てみたら
どの路線も大幅に本数を減らして運行しているとのこと。
駅まで行ってみるとホームに丸の内線が入っている。それほど混んでいない。
1本待って座っていこうと最初ホームに立ってみるが、
いつになるか分からないので目の前のに乗っていく。
特に遅れはなく、淡々と進んで到着する。


地上に出ると丸の内の巨大なビルの工事現場にて朝礼。
大きな声で「おはようございます!」と一言。
これを皆で順番に。建設会社の管理職なのか、若い女性も交じっていた。
スピーカーからその声だけが聞こえる。


歩いて神保町へ。いつもどおりの時間にあっさりとオフィスへ。拍子抜けする。
しかし常駐先のオフィスは開いてなくて、しばらく待つことになる。


音楽を聞きながら通勤してる人がぐっと減ったように思う。
自分も自粛する。節電とモラルと両方の理由で。
イヤホンをしてるってのは外界をシャットダウンしているようにも見える。
(いや、見栄えを気にしているわけではないですが)
今こそ音楽が聞きたいけど
iPhone で聞くものではなく何かもっと別な、リアルなものを。


9時の時点で出社は本社も常駐先のPJルームも半分以下。
駅で入場規制がかかっている、そもそも全面運休(川崎など)といった理由で。
メールだったりTwitterで状況を知る。
するっと来れた僕は相当ラッキーだったのか。


PJルームの臨時リーダーとなって、出社状況や案件状況を確認して報告する。
1日がそれで終わる。
時々忙しくなるが、たいがいの時間はそうでもない。
世の中の動きを土日同様、TwitterYahoo!ニュースでチェックする。


計画停電は1グループも2グループもなし。混乱を呼ぶ。
東電自体が混乱しているのか、停止にならないようギリギリまでがんばったのか。
後者であってほしい。
夜、茨城と静岡で停電。明日は朝からとのこと。


京急が15時半をもって運休すると情報が入り、沿線に住むメンバーが慌てて帰る。


福島の原発は2号機も危うくなる。


昨日、事態が収束に向かいつつあると感じたのは、僕の間違いだった。
一瞬の凪の中にあって、今はまた爆風に吹かれだしたような。
もやもやとしたものに包まれていたのが、
急に視界が晴れだして物事がクリアに見え出した。
それだどれだけの惨事だったのか。
津波が大きかった、ではなくて、浜にどれだけ打ち上げられたか。
その数が具体的な数値になってきた。


Twitterの流れもまた、一枚岩としてまとまってきた。
なんか自分だけ調子はずれのように思う。
僕は人として何かが欠けているのか。


オフィスは節電の一環としてエアコンを切って、
日中は照明も消してブラインドを上げる。
出社してない人のPCはモニターの電源を消す。


図書館のサイトを見てみたら開館はしているが、
節電のため3月末まで17時までとなる。しまった…
今やってる例の作業はこれからが図書館フル活用だったが、これで終わった。
どうしたもんか…
ま、しょうがない。なるようになるか。


金曜からの3日間の間にやはり何かしら障害は起きているもので、
その対応の立会いのため、残業する。
昼はPJのみんなで下の居酒屋に行って食べた。


19時オフィスを出る。神保町の町はいつもと変わらないように見える。
皇居も何もなかったかのようにひっそりとしている。
だけど市民ランナーの姿がない。


東京駅で乗った丸の内線はガラガラ。座って帰る。
気がついたら新宿では金曜夜の中央線のように混んでいた。
終点の荻窪まで混んでいた。
この時間、銀座線と日比谷線は止まっていた他の路線からの
乗り入れ客がオーバーしたため運転見合せとなる。