博多〜釜山 その4(3/19:東莱ハルメパジョン)


この辺りから地図があったほうがよさそう。
釜山の地図  http://map.konest.com/marea/11
地下鉄路線図 http://www.konest.com/data/subway_busan_jp.html

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3/19(土)


8時に目を覚ます。
一晩の間に溜まった膨大な量のツイートを見たり、メールをチェックしたりして過ごす。
9時半前に部屋を出る。
この日の予定として、北東の海雲台地区、センタムシティ駅の「新世界百貨店」を訪れて、
そのあと引き返して北の東莱地区へ。「東莱ハルメパジョン」を食べて「虚心庁」の温泉。
夕方には西面地区の繁華街で食べる。


地下鉄に乗る。1号線から2号線に乗り換えるため、遠くなる。1,300ウォン。
車両に乗り込むとなぜかドア付近に3輪スクーターが置かれていて、
周りの誰のものでもなさそう。それ以前にどうやって持ち込んだのか。
空いてた席に座って、最初の間は路線図を見ながら時間を過ごす。
駅によってはなぜか車内アナウンスの前に音楽が流れる。広告だったのか。
西面の駅で下りて2号線へ。
何か演説のようなことを一席ぶったおじさんが
車両の中でパンフレットか何かを女性の乗客に配って歩く。座っていた僕のところは素通り。
しばらくした後、パンフレットを回収して回る。何かを売っていたのだと思われる。
次に現れた男性はもっと分かりやすくて、J字型のパイプを手に
つまりを直すブラシがいかに役立つかを活舌よく大声で語る。しかし誰も買わない。
この日の午後、妙に哀愁溢れる、カシオトーンのような単色の音楽を
スピーカーで流しながら物乞いをするおじいさんが
車両の中を辺りはばかるように歩いているのを見かけた。皆、目を伏せていた。
(日本でこういう物売りや物乞いが車両の中に現れないのは警察の取締りが厳しいから?)


センタムシティで下りる。「ロッテ百貨店」と「新世界百貨店」とが並んでいる。
10時オープンかと思いきや、どちらも10時半だった。
「ロッテ百貨店」の地下のフロアが開いていて、コーヒーショップなど部分的に営業している。
従業員のおばちゃんたちが一箇所に集まって上半身を伸ばす簡単な体操をしていた。
開店前、「新世界百貨店」の前で子供たちの集団が集まってはしゃいでいる。
これは日本も韓国も変わらない光景か。
10時半になって我先に突入して一斉に駆け出す。この辺りも日本と一緒か。
ずらっと並んだ店員たちが「いらっしゃいませ」(に該当すると思われる韓国語)を唱和する。


ここ「新世界百貨店」は世界一大きなショッピングセンターとして
ギネスブックにも載っているという。スケートリンクやスパランドまである。
とは言ってもブランド物だったり韓国土産だったり、
ショッピングに興味があるわけでもないのでここをじっくり見てみるつもりもない。
とりあえずエスカレーターで最上階まで行ってみる。
吹き抜けになっていて解放感がある。
欧米系のブランドの英語のロゴを見ているとここは日本かと錯覚する。
http://www.konest.com/data/shop_mise_detail.html?no=2968
http://www.shinsegae.com/japanese/dept/dept_store.asp?STORE_CD=16
http://department.shinsegae.com/index.html


最上階は高級レストラン街となっていて、縁がないねと素通り。
その奥のスカイパークという屋上へ。
こじんまりとした庭園となっていて、眺めがよかった。
海雲台地区は釜山を代表するビーチリゾート。
今もまた続々と開発中のようで、海辺に面して高層マンションが建てられている。
どの方角を見てもモダンなビルが工事の途上にあった。
韓国は地震がないのだろうか。どのビルも競うように高い。そして細い。


下の階へ。映画館のフロア、ギャラリーと新世界アカデミーのフロア。
アカデミーは要するにデパート主宰のカルチャーセンターで日本にもよくありますよね。
僕が通り掛かったときには料理教室と楽器の教室がレッスンを始めていた。
その下がブックファーストのようなモダンな佇まいの大きな本屋。
「教保文庫」というようだ。
ハングルはさっぱり分からないので外国の書籍のコーナーを覗く。日本の本はなかった。
Jose Saramago『Blindness』の隣に Ian McEwan『Atonement』が並んでいた。


奥の方にCDショップを見つけ、入ってみる。
K-POP」のセクションがあって、韓国でも「K-POP」と呼ばれることを知る。
「J-POP」もあった。ZARDの20周年記念の写真集があったような。
「Shibuya-kei」というジャンルが大きくフィーチャーされていた。


一番下まで下りてきて、食料品のフロアを見てみる。
色とりどりの新鮮な野菜たち。水槽の中でカニやエビが動いている。
いろんな種類の朝鮮人参を豊富に売るコーナーがあったのが韓国らしかった。


「新世界百貨店」を出て地下鉄に乗り、
西面まで戻ってきて1号線に乗り換えて北へ、東莱で下りる。
駅の中の店がおでんを売っている。
特に根拠もなく寂れた落ち着いた歴史的な街を想像して外に出たら全然違ってて、
大小様々な店が鎬を削っているような小ぶりだけど派手な商店街が続いていた。
道端で野菜や果物を売っている人たちも多い。多く見かけたのは苺か。
韓国産がそうなのか、どことなく細長い形をしている。
新しく開店したスナック(かキャバクラ)のような店に花輪がたくさん届けられていた。


通りを渡って、地図を見る限りこの辺だろうと「東莱ハルメパジョン」を探す。
路地裏に迷い込み、ラブホテル・モーテル街に。
韓国映画だとキム・ギドク監督の『サマリア』のような。
何気なく若い男女がふらっと中から出てくる。そして消えていく。
一角をグルッと回って遠回りして、ようやく見つける。
ラブホテルに囲まれてるとは思えないような、なかなか高級な店構え。
http://www.pusannavi.com/food/1020/


パジョンとはニラの代わりにネギの入ったチヂミとでも言うべきか。
衣にはうるち米ともち米が使われている。
下調べをしていてビートルの町歩きマップで見かけたとき、
釜山に行ったら絶対ここで食べようと決めていた。
http://www.jrbeetle.co.jp/plan/map_pdf/map02.pdf


小サイズ(20,000ウォン)のパジョンとドンドン酒(60,000ウォン)を注文する。
ドンドン酒はまっこりのようで大きな甕に入ってきてとても飲みきれない。
5杯ぐらい飲んでそれでも半分行ったか行かないか。
レタスのキムチ風サラダ、ゴマ豆腐(?)、大根の漬物、
キャベツの漬物(あっさりしていてキムチではない)、
デザート代わりに餡の入った、餃子のような形のお餅。
そしてパジョンが運ばれてくる。
外はサクッとしていて中がしっとり、トロトロ。もちろんアツアツ。
たっぷりのネギにエビと牡蠣。
こんなうまいチヂミは初めて! 他ではもう食べられない!!
タレはキムチとしょうゆから選ぶんだけど、つけなくても素材の味だけで十分いける。
ああ、このおいしさ、ここでしか食べられないのか…
ここのパジョンを再び食べたいがために釜山にまた来たいとすら思った。