抽象の話の続き


いつだったか書いた抽象の話の続き。
その後こんなことを考えていた。


物事を捉える視点について、突き詰めるとこういう4象限が成り立つ。

  |全体|部分|
――┼――┼――┼
抽象|  |  |
――┼――┼――┼
具体|  |  |
――┼――┼――┼

この4つの領域を自由自在に行き来できるといいよなあと思う。


時々、仕事していてこの「部分+具体」の視点が強すぎて、
全体を俯瞰したり抽象的に捉えるということに慣れていない人に出会う。
タスク山積みなんです、どれだけやっても片付かないんです、という。
あるいは、前にやったことを横展開するように言われても
どうしていいかわからないとか。


倉庫の中で箱がいくつありますか? と聞かれて、
目の前に100個あったらその100個を律儀に1つ1つ数えていこうとする。
そんでもって途中で話しかけられてどこまで来たのか分からなくなってパニクる。
1歩か2歩下がって、「ああ、この前数えたときこれぐらいだと100個だったな」
でもいいわけじゃないですか。


パッと見、大事なとこだけ押さえてあとははしょる。
そんなふうに仕事してる人が世の中には多いと思う。
優先順位をつけたり、力を抜いたり。
だけど、その「大事なとこ」を見極められない。
1個1個箱を開けてみないとわからないじゃないですかっていう。
でも、100個詰まれた箱のうち、やけにくたびれた外見のは要注意とか、
そういう見極め方ってありますよね。
ルールや法則。それを人に教えてもらったり、自分で試行錯誤して見つけたり。
そこで働いているのは具体から抽象に移って、また具体へと還元するという動き。
全体と部分についても同様。
勘のいい人ってのは、頭の中でそれをやっている。


それができる人・できない人がいるのではなく、
慣れてない人や不器用な人がいるのだと思う。
訓練というかトレーニングをすると、うまくなるんじゃないか。
でも、何をどうしたらいいのかというのは僕もよく分からない。
「頭の体操」的なものかというと、たぶん、そうではない。


4象限に話を戻すと
「部分+具体」と「全体+抽象」を行き来するのは慣れていても、
残りの2つ、「部分+抽象」「全体+具体」が
なかなか難しいという人が多いんじゃないかと思われる。
僕だってそれがどういう状態なのか分かるような、分からないような。
しかし、優れた建築家や写真家ってのはこの領域にこそ力を発揮してる気がして。
いや、4象限満遍なくなんだろうけど。


今日はここまで。また続きを考える。