死後の世界というもの

昨晩、溜まっていた新聞を読んでいたらテリー伊藤がこんなことを書いていた。
毎日新聞の夕刊、先週か先々週の土曜。
キャンディーズのスーちゃんの遺書に触れて。


『この世の自分のことをあれこれ思うより、
「天国に行ったら、こういう仕事をしよう」と考えたほうが、
 死に対する恐怖が少なくなるんじゃないか』


ああ、と頷いた。そうか、これがポジティブな生き方なのか。


その一方でホーキング博士が天国を否定したというニュースがあった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110517-00000362-reu-int


曰く、「天国とは闇を恐れる人のおとぎ話にすぎない」


僕自身は天国や死後の世界の存在を信じない。
生まれ変わりというものもなくて、死んだら何もなくなるだけ。
特に怖いものではない。
そこにあるのは死の恐怖ではなく、あくまで生への執着。


こんな話を思い出す。とあるSF作品の結末。タイトルは分からない。
全ての生命が死滅した世界。最後に生き残った男が海の中に身を横たえる。
自分の体をこの海に捧げれば地球はタンパク質から始めて、
何億年後かにはもしかしたら知的生命が一からやり直しているかもしれない。
そういう意味での生まれ変わり、生命の連鎖はありえるだろう。


天国は無いけど、誰もが地獄に行くというのなら理解できる。
どれだけ良い振る舞いをしようと悪行の限りを尽くそうと
死後、永遠の責め苦を追う。
裁きなどという猶予は無い。
…だから、今、この生を引き伸ばしたい。


地獄の鬼が針の山へとみすぼらしい裸の人間たちを追いやる。
そんな具体的な情景は実際にはありえないとしても、
死後広がっている世界は「√−1」の虚数のような時空間なのではないか。
数や言葉では言い表せないような何かの群れ、列が際限なく続いて終わりが無い。
そのようなものだと思う。


あと、僕が死んだその瞬間、この世界は消えて無くなるというのはありそうに思う。
全てが無くなるのではなく、僕が生きていた世界だけが無くなる。
数え切れないほどの他の世界は何事もなかったかのように存在し続ける。