たくさんの私

編集学校「守」の38個のお題のうち、
6番目に「たくさんの私」というものがある。


「私は×××な○○○である」という型で30個以上の自己紹介をする。
2008年の秋、20守の学衆(生徒)だったときに初めて回答して、
そして今2011年の春、25守の師範代として再回答してみたのが、以下の通り。
以前のを全く見ない状態でやってみて、過去の自分を読み返す。
この3年という激動の時期を過ごしたにも関わらず
○○○の要素がほとんど変わらなかったことに愕然とする。いわゆるorz...


自分に指南するとなると
メタファーを使おうとしないところに自己顕示欲の表れが。
主客を入れ替えて「自分」から離れましょう。


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1)私は「先行逃切」が身上の師範代である
2)私は読むよりも買うほうの好きな本の読み手である
3)私はジャンル網羅型の音楽リスナーである
4)私はアメリカンニューシネマの好きな映画青年である
5)私は書くことに対して独りよがりな文学青年である
6)私はなんつーかもう認めたくないけど中年である
7)私はそのまま来てしまって後戻りのきかない大人びた少年である
8)私は母親に「いつ結婚するの?」と心配ばかりさせている息子である
9)私は旦那の方が仲のよいという妹をもった兄である
10)私は30過ぎてからその血の濃さに気がついた津軽人である
11)私は気持ちが行きつ戻りつしている青森県民である
12)私はやさぐれてはみ出し者の会社員である
13)私は「ま、いいんじゃん」が口癖のチームリーダーである
14)私は顧客業務の把握が得意なシステムエンジニアである
15)私は荻窪暦が10年を越えた杉並区民である
16)私は×××××には投票しなかった東京都民である
17)私は和の心にエキゾチックなものを感じてしまう日本人である
18)私は文学系SFばかり読んでいた地球人である
19)私は疎外感の塊だった宇宙人である
20)私は束縛は嫌いだけど計画は好きな旅行者である
21)私は記憶を無くしてばかりの酒飲みである
22)私は最高で1.5kgのハンバーグを食べた大食いである
23)私はガイドブック片手に都内を食べ歩いたカレー好きである
24)私は徹夜がまったくできない朝型である
25)私はおおざっぱ極まりないO型である
26)私はプレゼントが全て一緒にされた1月1日生まれである
27)私は女性からいつもうらやましがられる色白である
28)私はリアルの場ではかなりの人見知りである
29)私は言葉の魔力に取り付かれた無名の詩人である
30)私は(編集学校の不良の系譜を受け継いだ)アナキストである
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守破離と一通り終えて、やはり思うに
最初のお題「コップは何に使える?」(コップの用途をたくさん挙げる)と
この「たくさんの私」が全ての始まりであって、
日々はどこにあろうと
そこのところを掘り下げ続ける果てしない旅路にある。