『WIRED Vol.1』

アメリカに『WIRED』という雑誌があって、ずっと気になっていた。
日本版は出ていなかった。
しかし、サイバー系のSFだろうとインターネットの未来だろうと
翻訳もののあれこれを呼んでいると頻繁に『WIRED』がどうこうと出てくる。
あるとき、その日本版が出ると知って、おっと思う。
同時にこのとき、創刊号の特集の1つ、
「WIRED大学 新・教養学部の必読書50」を
決めるに当たっての投票を募集していると知る。
オルタナティブな思考」や「カウンターカルチャー」といったカテゴリに対して
編集部が用意したリストをもとにWEBから投票する。
抽選の結果当選者には創刊号を進呈するという。
…それが当たった。


100ページちょい、オールカラー。
『GQ』を出したコンデナスト・ジャパンから。
メインの特集は「テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?」と
「いま、ぼくらが気にすべき20の事象」
そして、「チェルノブイリ 死の森か、エデンの園か」
ざっとパラパラ流し読み。ザッピングがよかろうと。
でも最後、「FBI暗号解読捜査官の憂鬱」という連載はちゃんと読んだ。
すげー。前代未聞。「文字を書けないスパイ」のお手製の暗号が解読できない。
あと、「NETSCAPES デジタル信号が旅する風景」というグラビア。
北米のインターネットの網としての重要地点、その風景を紹介する。
ハリファクス、カナダ」に始まり、
グローバー・ビーチ、カリフォルニア州」で終わる。
どこもかしこも何てことないアメリカの風景なんですよね。


なんかこういう特定のジャンルの中に収まらず、
境界のあたりをうろちょろしているものが好きなので
せっかくの縁、次号以後も買うかと思う。500円しないし。
http://wired.jp/


で、問題の「WIRED大学 新・教養学部の必読書50」
僕が投票した本のほとんどが選考に残った。ふ〜。
でも、読んでないのに投票したのはことごとく千夜千冊なんですね。
そういう松岡正剛・編集学校的票もけっこうあったのではないかと。


僕が自前で読んだことある本。
ダグラス・クープランド『マイクロ・サーフス』
ジョージ・オーウェル『一九八四年』
(以下、カテゴリがかぶって投票できず。結局アメリカ文学です)
ジャック・ケルアックオン・ザ・ロード
ウィリアム・ギブソンニューロマンサー
カート・ヴォネガット・ジュニア『タイタンの幼女』


千夜千冊で取り上げられている。
ナシーム・ニコラス・タレブブラック・スワン 不確実性とリスクの本質』
ノーバート・ウィーナー『サイバネティクス 動物と機械における制御と通信』
ロバート・M・バーシグ『禅とオートバイ修理技術』
マーヴィン・ミンスキー『心の社会』
マイケル・ポランニー『暗黙知の次元』
グレゴリー・ベイトソン『精神の生態学
リチャード・ドーキンス利己的な遺伝子
ジャレッド・ダイアモンド『鉄・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』
スティーブン・ホーキング『ホーキング、宇宙を語る』
(以下、直接取り上げてはいないけど言及あり)
クリフォード・ストール『カッコウはコンピュータに卵を生む』
ミシェル・フーコー『監獄の誕生』
ジャン・ボードリヤールシミュラークルとシミュレーション』
ローレンス・レッシグ『CODE VERSION 2.0』
ブノワ・マンデルブロフラクタル幾何学
マーシャル・マクルーハン『メディア論 人間の拡張の諸相』
スチュアート・ブランド『ホールアース・カタログ』


WIRED (ワイアード) VOL.1 (GQ JAPAN2011年7月号増刊)

WIRED (ワイアード) VOL.1 (GQ JAPAN2011年7月号増刊)