昨日の続き。
山手線に乗って池袋に移動する。
サンシャイン・シティへと向かう。外も中もあまりの人の多さ…
サンシャイン水族館だったか展望台だったか。入場の列は45分待ち。
開場まで時間があったのでブラブラする。
ALTAって昔から入っていただろうか?
僕が買うような服を売っている店はなし。
4階のサンシャイン劇場へ。
今回縁あって見るのは
「〜としま未来コンサート うたあそび〜
小三治、僕、ちょっと歌いに参りました。」というもの。
小三治ってもちろん柳家小三治師匠のことですよ。
主催は豊島区になるのかな。
観客はお年を召した方たちばかり。小三治師匠が目当てなのか。
それともプログラムに記載された懐かしい曲目に惹かれてか。
第一部:
あの素晴らしい愛をもう一度、青い山脈、ここに幸あり、
島唄、いのちの理由、乾杯の歌
第二部:
あなたのすべて、おぼろ月夜、山のけむり、風に立つライオン
演奏は「としま ユング フェスタ オーケストラ」で
指揮と司会が坂本和彦という方。←とても面白かった。
第一部は前座? として「オペラ娘」が登場。
「日本オペラ振興会オペラ歌手育成部第30期修了生有志によって
結成されたグループ」とのこと。
http://operamusume.okoshi-yasu.com/frame.html
The Boomの「島唄」が印象的なアレンジになっていて
輪唱となり、ボレロのリズムが導入された。娘たちは最後カチャーシーを踊る。
「いのちの理由」はさだまさし。3.11/9.11を意識した選曲か。
「乾杯の歌」はヴェルディの「椿姫」ですね。
ビールやソーセージ、ドイツっぽいCMでよく流れて誰でも知ってる曲。
(なお、個人的には左から2番目の子が身振り豊かに楽しげに歌っていてよかった。
…と書くのはAKB48を意識してるみたいだから)
第二部が小三治師匠。歌うのは4曲と少ないながらその間ずっとトーク。
弟子入りして下積みを積んだ話、成就しなかった初恋の話、
馴染みの喫茶店で豊島区長の奥さんと仲良くなったけど亡くなられた話、など。
客層を意識してか大爆笑とはならず控えめだったけど、それなりに面白かった。
肝心の歌はというと。
小さい頃から歌うのが好きで下積み時代も掃除しながら歌っていて、
弟子仲間たちと合唱団を作っていたとのことで普通にうまい。
落語家特有のガラガラと塩辛い声がいい味になるんですね。
「おぼろ月夜」は客席と合唱。
プログラムになかったけど石川啄木の詩に曲をつけた「初恋」も
ピアノとのデュエットで披露。
最後はさだまさしの「風に立つライオン」
この選曲がずるい。そもそも壮大なスケールを抱えた名曲なんだけど
うまい人がただ情感を込めて歌えばいいってもんでもなくて。
その人の度量や人間性がそのままに出る。
落語って喋り方に間の取り方に
修業に修行を積み重ねて一定の高い位置にまで磨き上げたら
そこから先はその人の存在感に浸るようなもんじゃないですか。
それが「風に立つライオン」に滲み出るんですね。
小三治、アフリカの大地に立ち飛び立つフラミンゴを見上げる、というか。
本編終了。カーテンコール。
いいなあ、もう一回聞きたいなあと思っていたら、アンコールをやりますとなり。
「落語って普通アンコールないでしょ? 出てきて、じゃあ小話を1つ、
隣の家に塀ができたんだってね、へーい、なんてやらないでしょ」
と笑わせつつ、歌ったのはなんと、さっきやったばかりの「風に立つライオン」
僕らには分からないどこかで、プロとして、出来が納得いかなかったんだろうなあ。
2回聞いても、やはりよかった。素晴らしい余韻を残した。
(バックのオーケストラはまさかの再演でヘロヘロだったけど)
もう、なんというかこの1曲だけでこのコンサートが大成功となる。もってかれる。
隣に座っていたおばさんなんてしきりにハンカチで涙をぬぐっていた。
編集学校関係の縁で誘われて、
昔こういうファミリー・コンサートみたいなのに親に連れられてよく見に行ったなあ
というのが懐かしくなったり、
音楽が好きであれこれ見に行くけどいつも自分のストライクゾーンど真ん中なので
たまには「周縁」にあるものを聞いてみたいなあ
という思いでなんとなく来てみた。
それが意外にいいコンサートで。
これはいいもの見せてもらいました。