The Damned「Machine Gun Etiquette」

棚で見かけたら久々に「Love Song」が聴きたくなって、
The Damned「Machine Gun Etiquette」を iPhone に入れて夕暮れの街を歩いた。
「Machine Gun Etiquette」から「I Just Can't Be Happy Today」へ。
意外とかっこよくて驚く。学生時代の僕は何を聞いていたのか?


1979年のロンドン。パンク・ムーヴメントの第一波が落ち着いて、
第二波はニュー・ウェーヴへと拡散的に発展していく。
俺たちこそがパンクだと言わんばかりに勢いで押しまくるギターとドラム。
そこにキーボードが印象的なフレーズが切り込む。ピアノすら入っている。
こんなに鍵盤系の音が入ってたんだ?
当時最もよくできたロックの音のひとつと言っていいんじゃないか。
ヴォーカル・ギター・ベース・ドラムと最小限のフォーマットで演奏していた
パンクは音楽的に物足りなくなって、キーボードという楽器を見つける。
それをいかに使うか、試行錯誤が続いていた。
Buzzcocks から Magazine への流れを思い浮かべてほしい。
そんな中、The Damned は何事もなかったかのようにイキに弾き倒していた。
The Stranglers の、 レイ・マンザレク直系の自意識過剰なオルガンとは違う。
(それはそれでもちろん好きだけど)


今見るとジャケットもいいよね。
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右端の黄色とピンクのモコモコした小鳥の被り物を着てるのも気になるけど、
見てほしいのは、裏ジャケの方。リンクがあるはず。
崩壊しそうなビルのコラージュの下、グダグダに決めて演奏するメンバーたち。
ファーストもいいんだけどね。
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やっぱこれがパンク史上最もかっこいいジャケットだろう。
ケーキを投げつけられたあとの4人、その表情がそれぞれ違いすぎ。
知性は感じさせないけど、この世を笑って生き抜くしたたかさはある。
それでいいじゃねえか、という。


僕が持っていたのは「25th Anniversary Edition」で、
「Love Song」や「Noise Noise Noise」の別バージョンが入っている。
これが荒削りでカッコイイ。
うーん、このオリジナルのレコードが学生サークルの部室でかかってて、
それが Thee Michelle Gun Ellephant になるわけだ。