北極圏に暮らす

先日カムチャッカ半島の都市
ペトロパブロフスク・カムチャツキーについて書いた。
よく分かってなくて
「この辺りは北極圏なのだろうか?」と思っていたら全然違ってた。
北緯53度。


北極圏は北緯66度33分から。
Wikipediaの地図が分かりやすい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%A5%B5%E5%9C%8F
シベリアの大部分かと思いきやそんなことはなく、北部をほんの少しかすめるだけ。
ノルウェーもそう。グリーンランドはすっぽりおさまる。
カナダはアラスカの反対側、東側の諸島部が意外と北に広がっている。


大都市もある。ロシアのムルマンスクが32万人(北緯68度)、
リリスクが13万人(北緯70度)、ヴォルクタが8万5千人(北緯67度)。
なお、このヴォルクタにソ連邦最大のラーゲリ強制収容所)があった。


先ほどざっと見た限りにおいて
最も北にあってそこそこの大きさをもつ町はティクシ(北緯72度)。
1月の平均気温は-30℃で、0℃を超えるのは6月から9月だけ。
そのような厳しい場所でも北極海に面した港湾都市として発展し、
冷戦時代には軍事基地が建設された。
しかしソ連邦の崩壊と共に基地は縮小、他に仕事はなく人口は半減する。
2002年の時点で5000人程度。
こういうところの生活ってどうなんだろうな…、想像もつかない。
雪に閉ざされてウォッカを飲んでるぐらいしかイメージが沸かない。
しかしここには白夜があるはずだ。訪れてみたい。
日本人が足を踏み入れたことはかつてあるのだろうか?


探していたらこんな記事があった。運行するバスの中が凍っているらしい。
「世界最北端の都市、ノリリスク市内を走る凍りつくバスの悲惨な画像」
http://karapaia.livedoor.biz/archives/51395718.html


もしかしたら町や村ですらない、
人口数十人の集落というものもまたシベリアには点在しているかもしれない。
先住民族であるとか。あるいは、何らかの研究機関であるとか。
凍りついたツンドラの大地を真っ白な雪が覆っている。
他には凍てつくようなブリザードがあるだけ。
なのにそこで生きていかなくてはならない。
そういう人たちだっている。
僕らとは違う言葉を話し、僕らとは違う価値観で暮らしている。