落合博満という人

最近ふと思い出したこと。


高校の頃、たまたまテレビで見てたナイター中継。
巨人対中日。9回の裏。1−0で巨人が勝っている。
斉藤はあと一人か二人でノーヒット・ノーラン達成。


緊迫した場面で大豊がヒット。場内がどよめく。
アナウンサー「しかしここで抑えれば堂々の完封勝ちです!」
巨人サイドの応援が一際大きくなる。


そこに落合が出てきて、一振りしたらホームラン。
逆転サヨナラ勝ち。


この空気読まなさ加減。
以後、僕は落合博満という人を尊敬するようになった。


これぞ、プロだ。


「プロたるもの、もっと前の打席で打てばいいじゃないか」
と思う人もいるかもしれない。


しかし、それは打率というものを忘れている。
どれだけ優れたバッターでも3割打てばいい方だ。
その10回に3度のヒットをどのタイミングで打つか? 打てるか?


そういえば今年、優勝したのに中日の監督を解任させられたんだよなあ
と思って調べてみたら、在任期間は2004年から2011年まで。8年間。
え? そんな長くやってたの? そんな印象なかった。


映画少年だったとかプロボウラーを目指したとか、名球会入りを拒否したとか、
努力する姿を一切見せなかったとか、
口では金のためといいつつチームプレーを優先したとか、
いろんなエピソードを思い出す。風変わりな評判。まさに孤高の天才。
王でもなく長島でもない。イチローでもなく、松井でもない。
他に類を見ない傑出したバッターというとやはり落合なのである。