マフラーというもの

朝起きて寒い中、通勤のために駅へと向かう。
6時半過ぎ。毎朝、近くの高校の野球部の部員たちとすれ違う。
それが今流行りなのか、皆、マフラーをしている。
あるいはネックウォーマー。プラス、頭にはビーニー。丸刈りで。
正直、いくら野球部員御用達のでかいカバンをぶら下げて歩いたところで
余り強そうに見えない。
どれだけ寒くても野球部のジャンパーだけ、耳がむき出しみたいな
格好の方がしっくりくる。でもまあ、そんな時代でもないか。


僕はもちろんこういうのすることなくて、帽子の類はもう何年もかぶったことがない。
マフラーもそう。むしろ苦手。積極的に避けたい。
身に付けるものが増えて、
しかも首を覆うだけというのが考えただけでもめんどくさい。
首に巻いたりはずしたりっていう手間が受け入れられない。
暑くなってやめたのをどこにどう仕舞うかというのもめんどくさい。
温かいかどうかは関係ない。
ダウンジャケットの襟元を引き上げればよいではないか、と思う。
どうしようもなくなったらフードをかぶる。コートにくっついてるとかならいい。


そんな僕はマフラーとストールの違いも分からない。
ショールは肩掛け? 幅の広いやつ。


それにしてもこの寒い時期にコートを着ることなく、
スーツにマフラーだけという若いサラリーマンをたまに見かける。
あれは何なのだろうか? そういうファッションなのだろうか?
それとも寒さに強いのだろうか?
もしかして恋人が編んでくれたものだからしてるのか。
僕のマフラー嫌いが手伝って、「彼らは敵だ」なんて思ってしまう。


昔母がマフラーを買ってくれたけど、嫌だと言って結局一度もしなかった。
あのマフラーはいったいどこに行ったのだろう?