熊野古道を歩く その13(2/21:発心門王子〜本宮大社)


6時半起き。ひと風呂浴びて、出てきて『メロン牧場 花嫁は死神』を読み終える。
8時朝食。のどぐろを網で焼く、湯豆腐、大根と厚揚げの煮物、シメジの煮付け、
セロリの和え物、玉子・ブロッコリー・ジャガイモのグラタン、
ごはん、味噌汁、パイナップル。朝から豪華。


9時になって、宿のマイクロバスに乗って発心門王子へ。
帰りも15時までに連絡をすれば本宮大社まで来てもらえることになる。
本宮大社まで10分ほどか。
ここで朝食のときに一緒になった4人組の初老の方たちと一緒になる。
駐車場に停めた車から下りてきてマイクロバスに乗ってくる。
おそらく発心門王子から本宮大社まで歩いてきて、車で帰るのだろう。
ここから発心門王子も10分。下りてさっそく歩き出す。
http://www.wakayama-kanko.or.jp/walk/018/map2.html


しばらくは農家ばかり、田舎ののどかな道を歩く。
木彫りだろうか。手作りの老夫婦の人形が「ようこそ熊野古道へ」と歓迎する。
もう少し先に、別の人形を見かける。


公衆電話を見つけ、午後会うことになっていた映画サークルの後輩に電話をかける。
昨晩メールをくれたようだが、圏外だったので気付かなかった。
マイクロバスが本宮大社に出てメールを受信する。発心門王子でまた圏外になる。
同じ和歌山県内に電話しているはずが、話しているうちに10円玉が見る見る間に減っていく。
歩き出す。4人組の方たちに追い抜かれ、
しばらくしてから追いついて、少し話して、追い抜く。


09:40 水呑王子。古びたホームの待合室のような休憩所があった。椅子もそんな感じ。
なぜか薄ら寒いものを感じてトイレにも寄らずに立ち去る。
ここから山の中。
しかし、一昨日のようなかなりハード、昨日のような少しハードな上り下りはなく、
ほぼ平坦な下りの道のり。初級者向け。
山登りに自信のない人がほんの少し熊野古道の雰囲気を味わうというのにいいだろう。


10:05 伏拝王子。しばらくするとまた集落に出る。半農半観光という感じ。
途中にサイケデリックな赤に車体を塗った車が置かれた広場があった。
他にもカラフルで摩訶不思議なオブジェがいくつか。
ヒッピー的価値観を持った人が熊野古道に住みついたのか。
伏拝王子は平安時代和泉式部が都から熊野詣でで訪れたところ
ちょうどここで月のものがあって、参詣を諦める歌を詠んだら
夢の中に熊野権現が表れて参詣を許したという。


10:20 三軒茶屋跡。また山の中に入る。その入り口で鶯が鳴いていた。
しばらく行くと「ちょっとよりみち展望台」というのがあった。
少し気になったが、登らずにそのまま本宮大社まで行くことにした。


10:50 祓戸王子。しばらく山道の下りが続いて、墓地が見えてきて開けた。
本宮大社は目と鼻の先。到着。裏口から入ることになる。


お参りする。こちらは普通に誰でも本殿を参拝できる。ただし写真撮影不可。
こちらは朱塗りじゃないんですね。第一殿から第四殿まで順にお参りする。
そのうちのひとつの前で女性が熱心に祈っていたのが印象的だった。
あちこちでサッカーにちなんだ八咫烏を見かける。ちょっと俗っぽい。
しかし「八咫ポスト」なるものがあって、
社務所にて記念の八咫スタンプを押して投函できると知るとちょっと試してみたくなる。
見ると真っ黒なポストの上に八咫烏が羽ばたいていた。


絵葉書と切手を買おうといったん、本宮大社の外に出る。
(後でネットで調べたら中でも売ってたみたいですね)
急な階段を下りていく。これを後でまた登るのか…


11時半。本宮の町を歩く。庁舎があり、銀行や郵便局があり、と開けている。
観光客向けにおしゃれな喫茶店もある。カレーがメニューにあっておいしそうだった。
他にもよさげな店がいくつかあったんだけど、なぜか火曜が定休日ばかり…


後輩が来るのは13時前。
それまでのあいだに土産物屋を見つけて、会社と家のお土産を買おうとする。
冨士屋で買えばいいかと思っていたのが、
土産物売り場はあってそれなりにあれこれ売ってはいたものの
手ごろな当たり障りのないお菓子がなかった。
長屋のように何軒か固まって入っている細長い建物があった。
最初入った小さな店はオーガニックな食品を扱っていて、
この近くで作ったものだと熱心に勧めてくれるんだけどちょっと違う。
ガラスの瓶に入っているのも扱いにくいし。
熊野古道の写真を絵葉書にしたものだけを買う。
ついでに紀陽銀行の位置を聞いて、すぐ裏だったので行ってお金を下ろす。
そう言えば昨日は給料日だった。


観光地にありがちな、町営の大きなお土産屋を見つける。
いくつか試食してみて会社には「みかんのケーキ」にする。
大家さんには先日の「ほたて紀州煮」
これらは宿に持って帰って他の荷物と一緒に箱詰めして送ることにする。
家には梅干と妹夫婦用に「熊野川」を一瓶。こちらは宅急便で送る。
あと、自分のつまみ用に「ぬれいか天」と「海苔天 梅味」
ワンカップ清酒「やたがらす」


バス停の裏にある「和歌山県世界遺産センター」というのに行ってみるが閉まっている。
http://www.sekaiisan-wakayama.jp/
ガラス張りの中を覗くと混沌とした有様。台風12号の被害を受けたようだ。


熊野川の河原に出た後に「大斎原」を見に行く。
日本一大きいという黒い鳥居。かつて本宮大社はここにあった。
明治時代の水害により流されてしまった。
上流の十津川で急激な森林伐採を行なったのが原因であるという。
今は石碑のようなものが2つあるだけ。その空間を木々が覆っている。
このぽっかりと開いた空間というのがどこか心地よかった。