裸のラリーズ

裸のラリーズ水谷孝を中心とした伝説のバンド。
1960年代後半に京都で結成。
サイケデリックな大音量ギターノイズの隙間で翳ったフォークソングを歌う。
過去のメンバーには村八分の山口富士夫や
サンディー・アンド・サンセッツの久保田麻琴など。
(調べたら、後によど号ハイジャック事件北朝鮮に渡った元メンバーも…)


昔はとにかく音源が手に入らなかった。
どこからどこまでが正規盤なのか。
海賊盤っぽいCD-Rが中古屋の天井に飾られて数万円なんてザラ。
それがここ1・2年堰を切ったようにたくさん出回るようになった。
4枚組、6枚組、10枚組、13枚組などなど。ハンパない。
(最近、2枚組×10巻セットなんてのも出て来てもうキリがなくなってきた)


売ってるときに買っとかないと数年後後悔するかもしれないと思って
見つけるとホイホイ買ってしまう。
主に「Phoenix」という海外のレーベルと「ignuitas」という国内のレーベルから
それまで幻だったのがウソのように、再発されている。
しかし昔出たのがそのまま、ではなくて
あんまりよく分からない事情で並べ替えられている。
例えば、amazonのユーザーレビューを参考にすると
『Heavier Than a Death in the Family』というアルバムは
正規盤3枚のうちのひとつ『'77 LIVE 』から1曲差し替えたものらしい。
なんでそんなことをするんだろう??
(それにしても、重複した音源を知らないうちに買ってそうだなあ…)


せっかくだからってんで最近家で聞くんだけど、正直どれも同じに聞こえる。
3曲ぐらいのバリエーションを延々リピートしてるような。
ものすごく単調なリズムを繰り返すギターとドラムに合わせて、
轟音のギターだけが毎回毎回新しいフィードバックノイズの文法を吐き出す。
聞いてるとそのうちに何もかもがどうでもよくなってしまう。やばい。
甘くてとろけるようなものすら感じるようになる。
錯覚。幻影。倒錯。特にそれを、頭の中で再現したとき。
想像の中で聞くのが一番いいのか。
(たぶんそうだ)


などと書いているうちにJOJO広重の日記を見て、あれこれ考えてしまった。
http://goo.gl/rG92F ←本音で語られた、素晴らしい日記でした。
やはりこれらのブートレッグを買い続けるのは無間地獄であって、
僕なんかはいいカモだったのだ。
(商売になる限り、『'77 LIVE』とか公式アルバムは絶対再発しないんだろうね)


それにしても、海外の業者がブートレッグをつくって
日本に逆輸出するのって、なんだか不気味。
演奏した当人にはお金が入ってくることはなさそうな…
(伝説って何なんでしょうね?)