逗子へ(前編)


破の教室での集まりで、逗子へ。
7時半起き。8時には丸の内線に乗って新宿へ。
8:44発の湘南新宿ラインの逗子行きに乗り換える。
各駅停車ではなく急行のようなものだから
本を読んでいるとあっというまに到着する。
直前の北鎌倉、鎌倉でゴソッと下りる。
ゴールデンウィーク初日、観光客が多いのだろう。
自転車を抱えた若者をあちこちで見かける。
駅を出るとロータリーに集まって、自転車を組み立てている。


10時前には到着する。待ち合わせは10時半。駅前を歩く。
通りが狭くうねっていて、ゴチャッとしてるけどその分親密さを感じるというか。
緑もひとりでにニョキニョキ隙間を見つけて増えているような。
市庁舎の横に亀岡八幡宮があって、その片隅で植木市。
アロハシャツを売っているハワイアンな店を見かけて、南国の風を感じる。
昨日までの雨がウソのように快晴。
駅前に戻ってきて、肉屋にてコロッケと手羽塩焼きを買って食べる。


一本到着する度に三々五々集まりだす。
ひとり、夜の店に持ち込む貴腐ワインを預けにいくというのでついていく。
先にレンタカーを取りにいってもらう。
東口のロータリーで待っていると電話があって、混雑していて向かえないという。
確かに停められない車が難儀して手前で人を下ろしたりしている。
西口へと移動する。合流して、小坪マリーナへ。
駅周辺から抜け出すためにグルッと一周回ることになる。


マリーナに到着する。奥にある有料の駐車場に停める。
ゆったりとした感覚で立ち並ぶ椰子の木、
柔らかな黄緑色の芝生がよく整備された児童公園、
瀟洒なリゾートマンションは布団を干している人もなく生活感皆無。
空は晴れて初夏の手前、心地よい日差しが降り注ぐ。
海は遠くにヨットやウインドサーフィンが浮かんでいるのが見える。


「ピッコロ ヴァーゾ」へ。港に面した小さな店だった。
有名な店。予約でいっぱい。ふらりと来た方たちは皆、断られていた。
ランチのコースにする。1575円と手ごろな値段。
前菜は鯵と真鯛のマリネなど、パスタはトマトソースの殻つきホタテ。
港が目の前に見えるからか、素材の新鮮さを感じる。うまかった…
ツバメが軒先に巣をつくっている。メスのツバメが巣の中を気にして、
つがいとなるオスのツバメが辺りを見回りに来る。
交互に近くの電線へと戻っていく。


食べ終えて、魚屋を覗く。水槽にサザエや大ぶりの赤黒いエビ。
発泡スチロールの箱が並んでそこに氷が詰められて魚たちが並ぶ。
遠方からの観光客なのだろう、注文の順番待ちの列となっている。


マリーナを後にして、斜面をのぼっていく。
石原裕次郎の家もあるんだったか。超が2つも3つもつく高級住宅街へ。
ロスのビバリーヒルズやニューヨーク、ロングアイランドを思い出した。
日本にもこんなところがあったんだ…
広いとか大きいとかそういう尺度じゃないんですね。
どこまで静謐さを保てるか、その圏内を覆いつくせるかというような。
入り口には警備員が立っていて、いったいは物音ひとつしない。
誰も通りを歩いていない、高級車が出入りすることもない。
植え込みや敷地内の工事のために雇われた人たちぐらい。
そんな中にも近くのラブホテルのように
ピンク色のお城のような建物があったりする。