『この空の花』

今日は横浜にて会社の後輩の結婚式。
午前中、周りで何かと話題になっている『この空の花』を見に行く。
http://konosoranohana.jp/


銀座でもやってるけど始まりが遅めで、それだと間に合わなくなるので
モーニングで上映している「ららぽーと横浜」へ。
「みなとみらい」のどっかかなと思いきや、全然違うんですね。
前日ふと調べてみたら横浜線の鴨居。どこそれ? え、新横浜の先?
危なかった…


『この空の花』は大林宣彦監督が長岡で昨年、撮影した映画。
毎年8月1日から3日にかけて開催される長岡の花火大会が中心に据えられて、
戊辰戦争と米百票、1941年12月8日の真珠湾攻撃
1945年7月20日の模擬原子爆弾の投下、8月1日の大空襲、シベリア抑留、
2004年の中越地震と埋没する山古志村、2007年の柏崎原発の停止、
そして2011年3月11日の東日本大震災
これら全てを、長岡から世界へ、世界から長岡へ、いっきにつなぐ。
この地上から戦争をなくしたいというメッセージで、全てを貫いて…


見ててびっくりした。僕も途中から泣いてしまった。
ホロホロと涙が出るとかそういうんじゃなくて、ハンカチで何度も拭った。
ここまでまっすぐに物語を語ること、信じることを映画からもらえるとは。


大林監督の映画は尾道三部作も『異人たちとの夏』もよかったけど、
正直これまで僕にとって必要な映画監督ではなかった。
劇場に新作を見に行くなんてこれまで思いもよらなかった。
それが、はあ… 何なんだろこの余韻。
見てたときには蛇足に感じられた長岡の花火、
夜空に次々と打ち上がる花火の群れが見終わった後にズシリと来る。


どこか拙く、危うい。結局はメッセージだけなんじゃないか。
そのようにも思う。
しかし、これだけピュアに思いを差し出せる映画がいったいどれだけあるだろうか?
しかもそれは若者が衝動でつくったらなんかすごいものができた、というのではなく
次の世代にきちんと伝えるべきと真剣に向き合った大人が
仲間たちを全国からたくさん集めてそれをつくったのだということ。
今年を代表する、観るべき1本だと思う。