松丸本舗閉店

丸の内OAZO丸善内の松丸本舗が9月末をもって閉店。
前から噂には聞いていたけど、
松岡校長自身のツイートから正式に発言があった。
https://twitter.com/seigowhibi/status/224828651638763520


その後まとめなどいくつか現れた。
松岡正剛_松丸本舗閉店宣言76時間RV」
http://togetter.com/li/341229


世の中一般的なカテゴリーに基づいて並べるのではなく、
目利きが独自の文脈で並べるという書棚。
何がどう隣り合うのか、一見分からない。謎めいている。
知の有様を表わしているようでもある。


それが雑誌に取り上げられたり、テレビに紹介されたり。
「客単価日本一」とも呼ばれた。
何か本を読みたいけれどもそれが何なのかモヤモヤしている
という人にはよかったのではないか。
連想や想像を刺激するような並びとなっている。


でも平日の昼間にふらっと入ってみると全然客がいないということが多かった。
開かれているようでいて迷宮のような造りの、どこか閉じられた感覚がよくないのか。
秘密クラブめいた独特の匂いが、客を選ぶのか。
それは確かにあったと思う。


いや、それ以前にただ単に本屋で本を買うということが通常、
目当ての本、目当てのジャンルが事前に決まっていてなされるものなのだ、
というだけのことではないか。
余裕をもって幅広く見て回ってそのとき読むべき本を選ぶ、本と出会う
という人はたぶん、かなり少ない。
だから amazon が繁盛する。
ロングテールでニッチな本を置いてるからではなくて、逆。
ベストセラーの本を買い求めるために
わざわざ本屋まで足を運ぶのが時間のムダなのだ。


あるいは単なる暇つぶしか。


やっぱりね、個人的には何かと残念です。
単に本を買うだけではなく、
煮詰まったときにインスピレーションを求めて訪れるということが多かった。
具体的な着想は得られなくても、
前向きな力で背中を押されたような気持ちになったことが何度かあった。
それは本そのものによるものなのか、松丸本舗によるものなのか。
正確には何千、何万冊もの本が織りなす知の厚みの感触なのだろう。
それが様々な断面から切り取られていて、見えやすくなっていた。
図書館や普通の本屋とは違う、常に動き続ける分類。


僕の身の回りでは賛否両論、いろんな意見があるけど、
僕としてはどこか場所を見つけてすぐにも再開してほしいと思っている。