嗅覚というもの

小さいときに蓄膿症やアレルギー性鼻炎だったことが関係しているのか、
嗅覚というものにあんまり興味がない。
人より鼻が利くほうでもないと思う。
というか、あんまり頼ってないが正しいか。
いい匂いに包まれることで心が浮き立つ、癒されるということはない。
その逆に不快な臭いに出会っても特に困らない。ま、そんなもんかという。
黙ってそこから立ち去るだけ。


誰しも「自分にはここが人として欠けている」というものがあるもんだけど
(あなたにもありますよね?)
僕は象徴的にここなんだろうなあと思う。
五感のうちの最たるものをないがしろにする。
その分、視覚というか文字情報を重視する。
ありのままのものよりも記号化されたもの・意味づけされたものをありがたがる。


だから香水とか香料というものに全く興味がないんですね。
周りの人がつけているものにも、自分がつけるのも。
コロンの小さいのとかもらっても結局使わない。
封を開けすらしない。怖がっているのかもしれない。


書いててなんだか自分が子どもに思えてきた。
五感のうちの最もなまめかしいものを使いこなしてこそ大人というか。


子どもは五感剥き出しで生まれてくるのに
閉じて伏せて記号的に思考しなさいと教育される。
それが大人になると「魅力がないよね」となって
野性味のようなものを漂わせるともてる。
人間ってなんなんだろ。
文化とか社会ってなんなんだろ。