The Yellow Monkey「JAM」

このところ思うところがあって、
The Yellow Monkey「JAM」を iPhone に入れて
この曲を何度か聞いた。


彼らの代表曲とも言える壮大なバラード。
その歌詞にこんな一節がある。


「外国で飛行機が墜ちました ニュースキャスターは嬉しそうに
 乗客に日本人はいませんでした いませんでした いませんでした
 僕は何を思えばいいんだろう 僕は何て言えばいいんだろう」


ここだけだとうまく伝わらないかもしれないけど、
初めて聞いたときもそれから10数年経った今もこの歌詞には震える。
この世界に関するとてつもない核心を思わず突いてしまったように思う。
集団の狭い仲間意識を揶揄しているようでいて、
もっと深いこと、悲しくて切ないことを言い表している。
それが何なのか、僕には分かりそうで分からない。
ずっとずっと分からずにいる。


理屈じゃないんだな。
ユニコーンの「素晴らしい日々」の一節、
「君は僕を失うから その頃にはすぐに君に会いに行ける」
これに匹敵する。一見矛盾しているけど、人生ってそうだよなと思わせる。


「JAM」のこの歌詞のポイントは
「外国で飛行機が墜ちました ニュースキャスターは嬉しそうに
 乗客に日本人はいませんでした いませんでした いませんでした」
という出来事を単に綴っているのではなく、その次にあるように
「僕は何を思えばいいんだろう 僕は何て言えばいいんだろう」
と聞き手と同じ気持ちに立つことにある。
そのことに対してどう折り合いをつけていいのか分からない、
しかし悲しくなる気持ちは現に今存在するということ。
深層心理の日陰の部分。
ここまで踏みこめた歌詞はそうそうないと思う。