バニーガール

不謹慎な話となってしまうが。
2011/3/11(金) 強く長い揺れが収まって外に出ると、
救急車が九段下方面に向かって走っていくのを見かけた。
後から知ったところでは九段会館だった。
天井が崩れ落ちて、卒業式に出席されていた2名の方が亡くなった。
その1ヶ月後に九段会館は廃業となる。


神保町で仕事をするようになって
毎年夏になると九段会館のビアガーデンに行った。
安くて手頃で、メニューも焼きそばに枝豆、
「これぞいかにも庶民のビアガーデン」
という感じがあって僕は好きだった。


そしてここにはバニーガールがいる、というのがよかった。
何人かいた中でひとりだけ忘れられない人がいる。
僕の知る限り、2010年までの3年間ここでバニーガールの仕事をしていた。
いや、特に何があったというわけでもない。
酔っててはしゃいで一緒に写真を撮ったぐらいか。
前にも書いたことあるけど正統派のバニーガールで、
知性と気品がそこはかとなく感じられた。


九段会館がなくなって、あの人は今どこでどうしているのだろう、
ということを時々思いだす。去年の夏や今年の夏。
今頃になって言うが、正直な話、
東日本大震災と聞いて真っ先に思い浮かべるのがこの人だったりする。


もしかして「バニーガール向上委員会」に属しているかもと
メンバーの一覧を見たが、それらしき人はいなかった。
いるわけないか。なんかそういう感じの人ではない。


たぶんもうバニーガールの衣装を着ることはなく、
普通に暮らしているのかもしれない。
いや、あるいはどこか別の場所で
バニーガールの仕事をしていたのかもしれない。


ただなんとなく、今日書きたかったのはそういうこと。