1年間

国防軍」が話題になったからか、徴兵制の議論を時々目にする。
日本にも必要だという人、断固反対だという人。
それぞれの言い分がある。


僕自身も反対だけど
(自分に置き換えてみたとき、その1年間もその先も
 精神的にいろんなことが麻痺して追い詰められそうで、ぞっとする)


学校→就職というお決まりのラインから離れる1年間って
若いうちに1度ぐらいあってもいいんじゃないかと思う。
国内か海外でのボランティアとして。
18歳から30歳の間に任意のタイミングを選ぶ。
どこに配属されて何をするのかは、ある程度偶然性に左右される。


ボランティアに参加する人、関心を持つ人を増やしたいのではなくて、
そもそもの選択肢や可能性を広げたいということ。
世の中にはこういうものもあるんだ、とか、
自分はこういうこともできるんだ、と知る体験。
全然違う視点から自分のこれまでの、これから先の人生を捉え直す。
だからボランティアではなく、全然違う職業に就くのでもいいのかもしれない。
そしてそれまでの学校や企業を中心とした毎日では
決して出会ったことのないような人たちと日々接する。


いやいや、甘ったれるなよ、そういう期待があるなら
どんどん自分で飛び込んでいけばいいじゃないか。
そう考える人もいるだろう。
しかし多くの普通の人は勇気を持てなかったり、
疑問を持たなかったりするのだと思う。
無難な方向性に今いるのならば、何もあえて冒険する必要はない。


制度として用意されていると
人によってはある種の苦境から抜け出すためのチャンスとなるかもしれない。
生まれてから年老いていくまで、厳しい状況から、
どうにも抜け出すことができないような人だってこの世の中には存在する。
あるいは、そういう人がすぐ側にいることを想像できない人だって存在する。


別人になってまた戻ってくる1年間というか。
だめかな、そういうの。