居眠りというもの

忙しい時期になってくると帰りの地下鉄で本を読んでいて、思わず居眠りしてしまう。
そして左右に倒れて隣の人にもたれかかる。あれをなんとかしたい。
時々、女性が座ったときなど、ふと気がついたら露骨に嫌がられていることがある。
「ええっ僕がやったわけじゃないのに」となんとなく思う。
いや、間違いなくやってるのは僕なんですが。
人によっては痴漢行為の分類なんだろうな。
(で、実際居眠りしたフリをしてもたれかかっている人もいるんじゃないかと思う)


自分がもたれがちだから、逆に誰かがもたれかかってきても
そっとしてそのままにする。嫌がるわけにはいかない。


姿勢の良い人は左右に倒れないのだろうか。
たまに背筋をピシッと伸ばして眠っている人がいる。あれがうらやましい。
でもあれは眠っているのではなくただ単に目を閉じているだけのような気もする。


それだけじゃなく、読んでた本を落とすことも最近よくある。
しかもそれがなぜか混んでる車内に限って。女性の足元に。
”無意識”が反乱を起こしているのか?


ひどいときには車内でよだれまで垂らしていた。


そういえば、毎朝同じ時間に同じ車両に乗り合わせる若い女性の方がいる。
乗る駅は違うが、下りる駅は一緒。多くの場合、同じドアから下りる。
いつからそうなったのかは分からない。ある朝気がついた。
朝、「ああ、今日も乗っているな」となんとなく確認する。
多くの場合、彼女は下りる駅まで眠っている。
僕は始発の駅なので必ず座っている。時々、彼女が隣に座ることがある。
乗り込んだときに空いていて、あるいは赤坂見附の駅でごそっと下りたときに空いて。
そして眠り込んだ彼女が僕にもたれかかってくる。そんなことが何度かあった。
他人以上、知り合い未満。もたれた感触に何かがどこか、妙に不思議な気持ちになる。
そういうときってなぜか僕はいつも眠らずに起きている。本を読んでいる。
東京駅で隣の彼女は目を覚ます。彼女がすぐ後ろに続いて、
僕は彼女を伴って地下鉄から下りる。一見そんな風に見える。
改札を上っていく。そこから先は方向が分かれる。
僕より10コぐらい年下だと思う。丸の内で働いているのか。
だから何? と言われたらどうもしないですが。


泥酔していると居眠りどころか丸の内線を荻窪から池袋まで何週もしてしまう。
あれって意義窪方面の最終がなんで枝分かれして中野富士見町なんでしょうね。
そこからタクシーに乗って帰ったことが何度あったか。
荻窪だったらいいのに。せめて中野坂上どまりとか。


新幹線の中で缶ビール飲んで居眠り、というのは最高に気持ちいい。
あるいは映画館で柔らかいシートにもたれて映画を観ながら、とか。