ジョセフィン・フォスターからフェデリコ・ガルシア・ロルカへ

僕にとって今年を代表する1枚を挙げるとするならば
Josephine Foster『Blood Rushing』
http://www.amazon.co.jp/dp/B0093UG2XM/


フリーフォークの最高峰。
人類がこれまでに通過して、これから先生み出される、
古今東西・森羅万象のリチュアルの全てを声にして語り継ぐような歌。
音の桃源郷
現在、最も深い地下水脈を探っているのはこの人ではないか。
http://windbelljournal.blogspot.jp/2012/08/josephine-foster-blood-rushing.html


2010年に発表の、スペインの詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカが集めた民謡集を
カヴァーした『Anda Jaleo』も必聴。
1テイクだけの即興録音にも関わらず、凛とした声、色鮮やかな音。
現代に甦らせるってこういうことなんだ、と思った。
http://cookiescene.jp/2012/04/josephine-foster-the-victor-he.php


僕はその元になったアルバムを探した。
『Coleccion De Canciones Populares Espanolas』
「Sonifolk」というレーベルからの復刻版が探せばまだ見つかる。
2012年もいろんな音楽に出会ってきたけど、
最後の最後、ひとつ辿り着いたなあと思った。
ロルカが集めて、編曲し、自らピアノを弾いたスペイン民謡集。1931年の録音。
アルゼンチン出身の舞踏家ラ・アルヘンティニータが歌った。
数年後、スペイン内戦の時代に発禁となる。


読書もそうだけど、本を読んでいる間も旅であるし、
ひとつ読み終えてそれが道標となってまた次の本に向かうのもまた、旅。
2013年もまた、続く。


一昨年の今頃、スペイン内戦について調べることになって
そのときにロルカと巡り合った。
1936年、フランコ側(つまり、ファシズム側)の党員によって銃殺される。
詩集『ジプシー歌集』や戯曲『血の婚礼』などを残した。
読むべき時が来たんだな、と思う。

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なお、今年の1曲にしてベスト・ビデオクリップと言えばこちら。
Ana Tijoux 「Shock」
http://www.youtube.com/watch?v=177-s44MSVQ


今年の初めに出会って、以来ずっと聞いてた。
チリの女性MCなんだけど、2011年、教育の自由化を求めて
学生たちが立てこもった学校にて撮影したという映像がリアル。
登場するのは実際の学生たち。