杉並区、世田谷区

昨晩は豪徳寺で打ち合わせ。
時間があったので駅の南口を歩いてみる。
年末に初めて下りてこの日2回目。
『Let's 豪徳寺!』って漫画があって
当時青森の中学生だった僕が知っていたぐらいだから
大きな町かと思いきや全然そんなことはなくて、小さくて静かで穏やかな住宅街。
駅前はチラホラと飲食店があるだけで特に何もない。
あとで聞いてみたらやはり昼食べる場所に苦労しているという。
オフィス街ではないから競争もなく、
出てくるのが遅いしたいしておいしいわけでもない。
うーん、そうか。


なんかこういう小さくまとまった住宅街って世田谷区っぽいなと思った。
杉並区とはどこか佇まいが違う。
いや、私鉄とJRの違いなのかな。それは確実に違う。


何がどう、と具体的にうまく言えないけど感覚的に
世田谷区と杉並区は雰囲気が違うし、練馬区もまた違う。
道の広さとか家々の密集度かもしれないし、
匂いとか吹きぬける風とか降りかかる影かもしれない。
公園の造りや公共施設の佇まいというのもある。
自転車に乗って環八を南に下っていくと世田谷区に入った途端
自転車用のレーンが歩道の脇に出てきたりして、そういうのは分かりやすい。


無機質で抽象的な住宅街なんてものはどこにも存在しないんですね。
住んでる人の生活があり、気候や地形があり、
文化や社会、好みやしきたり、出入りするものが生まれるのだから、
そしてそれが随所に滲み出るのだから、ひとつひとつが生き物のように違う。
その集合体ともなると複雑な有機体となる。
町が人を呼び、人が町を独自のものへと変えていく。
「駅前」の風景はどれをとってもユニークなものだ。


なんだか僕はふと、漠然とだけど杉並区のことが好きなのかもしれないと思う。
長年住み続けた愛着というか。
杉並区の内と外とを分けて考えようとしているのかも。
そういう事情もある。