オノクラ汁講その2

(2/15(金)午後からの続き)

最初、通りの外れの、だけど最も大きな「桃太郎ジーンズ」で買う。
この名前どこかで聞いたことがある。
石田純一であるとか杉ちゃんとか有森也実とか
芸能人ご愛用のモデルみたいなのも貼り出されている。
(本当はもっとかっこいい人たちの名前があったのだが、忘れてしまった)
僕はここでまずは1本、トレードマークの2本の白いラインが
尻ポケットではなく右腿に入ったのを買う。
店員は裾をカットしないことをくどいぐらいにしつこく薦める。
しかしスニーカーを履いてみると
どこをどう見ても長すぎて地面を引きずっている。
裾を切って縫製するのがめんどくさいのだろうか? 客は他にいないのに。
ロールアップで履いてるのが何本かあるので結局カットしてもらう。
ここのジーンズは児島にしかかないものだと思いきや、
高円寺・青山にも店舗があると聞いて最後落胆。


旧野崎家邸宅を覗く。塩の精製で一財産なしたようだ。
巨大な岩塩や代々伝わるひな飾りなどを見た。
庭園を歩くとスピーカーから説明の朗読が始まって、ちょっとやりすぎ。


ジーンズのもう一軒は「カミカゼアタック」へ。
小さな店というか工房。型紙が壁に何枚も重ねて留められていて、
生地はじゅうたんのように巻かれ、年代もののシンガーミシンも何台か。
ジーンズとジーンズになる前のパーツで溢れ返っている。
しかも名前に現れているようにここはセンスがある意味いいんですね。
鳥肌実のポスターが貼られていたり、
ロバート・ロドリゲス監督『プラネット・テラー in グラインドハウス』の
ポスターが貼られていたり。
試着室はなくて店の奥の控え室で履いてみる。
えらくかっこいい絣の生地のジーパンは残念ながらサイズが合わず。
ブーツカットを1本買うことにする。1万ちょっとで安い。
なのに腿にフィットしてタイトで、裾の適度なルーズ感がたまらない。
ここに置かれていたノートPCもなぜか
God Speed You Black Emperor の昔の楽曲を
YouTube で検索したままになっていたなあ。いい。
その他飾りは尻尾のとがったデビル系などがそれとなく。
裾を短くしてもらっている間に「よそから来られんですか?」という話になる。
僕は東京からと答える。
最近は東京のセレクトショップも「児島から」と銘打たないと売れない、と聞く。


14時近くなって昼は向かいのお好み焼き屋「米八」へ。
このあたりのお好み焼き屋ではタコが入っているのが児島らしさのようだ。
タコ、エビ、イカなど入ったデラックスにする。あと生ビール。
ご主人はなじみの客とテレビを見ながらワイドショーを観て
義足のランナーが恋人を射殺した事件やグアムの無差別殺人について話している。
僕が東京から来たと知ると
今日は通りのあちこちで店がしまっていてがっかりしたろと。
カミカゼアタック」でも言われた。
この店は遠いけどやってるよと観光地図に印を描いて
港の近くの「D-MALL」を教えてもらう。人がいい。
食べ終えて、港の近くのヤンマーのボート修理工場など通り過ぎつつ
その「D-MALL」を訪れて15時過ぎ。
駅に寄るとちょうど岡山行きの快速が来るところだったので
慌ててリュックサックをコインロッカーから取り出して階段を走る。
本当は「ジーンズ・ミュージアム」を訪れて
オリジナル・ジーンズも作りたかったけど、2本も買ったしまあいいかと。


15:10 快速に乗って岡山へ、山陽本線に乗り換えて倉敷へ。
どちらも高校生の姿が多かった。
倉敷に到着して駅を出る。北口も南口も2階の高さで
通りの向かいに歩道橋を渡していて空中楼閣のようだった。
少しファンタジーの入った都市、そんな印象を受ける。
(北口はかつてチボリ公園というのがあったが、経営が立ち行かなくなって今は
 アウトレットモールが建っていると聞いた)
南口は天満屋デパートなどがあって、歩くとしばらくして「美観地区」へ。
小さな川の両側、白い壁に茶色い倉の赴きある旧家が並ぶ。
これが今、土産物屋やおしゃれなカフェや料亭となっている。
(ふと見ると蕎麦居酒屋の「高田屋」なんかも店を構えている)
夕暮れ。タイムスリップか時間が止まったままのよう。
その隙間に星野仙一記念館があった。


今日の宿、「倉敷アイビー・スクエア」へ。
かつてクラボウ(倉紡)の大きな工場があったという赴きある場所。
今はホテルや結婚式場、美術館など。名前の通り蔦で覆われている。
中庭として洋風のテラスがあり、夏はビアガーデンになるのだろうか。
キャンドルショップやオルゴールミュージアムなどがあった。
チェックイン。ノートPCを持ってきたのでLANケーブルありますか
と聞いたら、ありの部屋に変えてくれた。
部屋で一息ついて、さっそく「カミカゼアタック」に履き替える。
このジーンズ、履き心地がいい。


倉紡記念館の無料チケットをフロントでもらったので行こうとしたら
17時で閉館、16時半が最終入館。えらく早いなと思いきや周りもみなそうだった。
倉敷の夜はかなり早い。東京が異常なのか?
町屋の続く中をブラブラ歩いて倉敷デニムの店に入ってみたり、
なんかで金賞を取ったというコロッケを買って食べながら歩いてみたり。
山の上の神社に登ってみようかなあと入口を探したら
付近の高校なのだろうか、
丸刈りの野球部が階段を一段ずつ上っていくトレーニング。
恒例なんだろうな。盛大に掛け声を上げてふたりずつ小刻みに上っていく。
この界隈は土蔵の旧家を活かしたおしゃれな小物・雑貨屋やカフェが連なる。
「ムシ・ブンコ」という古本屋が気になった。
大原美術館は既にしまっていたが明日は見て回ることになるしと
収蔵品のカタログとそのうち棟方志功を集めたものと2冊買う。
一度ホテルに戻ってこれら置いていく。


Kさんと大原美術館の前で落ち合って、
倉敷の地酒を置いている店へと入る。「鬼の厨 しんすけ」
お通しにわかめのしゃぶしゃぶ、瀬戸内海の刺身の盛り合わせや
牡蠣の酒蒸し、タコのうま煮、乙島シャコの唐揚など。
倉敷の酒は森田酒造(近くを歩いているときに見かけた)「荒走り」など。
学校のことなどあれこれ話して、18時半から22時まで。


帰ってきてホテルの大浴場へ。混んでるかと思いきや、誰もいなくて貸切。
缶ビールを1本飲んで午前0時半に眠る。