解説というもの

アルバムについてきた解説を読むのが好きで、
洋楽のCDを買うときはできる限り国内盤を探す。
廃盤で高くなっていて輸入盤で安く買えるとしても、そう。


そのアルバムが生まれるに至った背景、
過去の作品とのつながりや
今作にまつわるエピソードを読むのが好きなのである。
歴史を組み立てるのが好き、というか。
他には共演しているミュージシャンの紹介や
アーティスト本人へのインタビューなど。


バイオグラフィーディスコグラフィー
おさらいをしてくれるととても助かる。
それまでのアルバムが輸入盤しかなくて
たまたま国内盤が出たときというのは貴重で、
自分の持ってないアルバムがわかったり、
どれが何枚目だったのかといった順番がわかったりする。
自分にとってはこの理由がとても大きい。


だから急遽国内盤が発売されることになって
解説者は音源も聞いてなくて、
取り立ててレーベルからのインフォもないという状況で書かれた
薄っぺらい内容の文章を読むことになるとがっかりすることになる。
それまでに何枚か発表しているアーティストで
熟練した解説者だとこれまでのアルバムと最近のインタビューから
最新作の方向性を予測しようとする。
来日公演の模様を描いたり。でもやはり物足りない。
たかが解説、されど解説。
アルバムの発売された数ヵ月後に××エディションと称して
DVDやミニアルバムをつけるのならば、その分解説も厚くしてほしい。
そうしたら僕も買う。


解説者による曲の印象や感想なんかはいらない。聞けばわかるから。
ここに入っているピアノは誰それで、というものならいいけど。
あと、そのアーティストと直接関係ない
解説者の過去の出来事を書くとか。幻滅しますね。
オレが昔やってたバンドでカバーしたとか。知らんがな、そんなの。
80年代から90年代にかけての何人かの解説者を思い出す。
書くことがなかったり、そのアーティストに関する
深い知識(思い入れではない)がなかったら本来引き受けてはいけないのだ。
新人アーティストでもない限り。


曲の印象や感想も何が何でもダメなのではなくて、
様々なジャンルの音楽全般に通じていて、
文章の書ける人がサラッと忍ばせる分にはいい。
70年代のワーナー系の解説って味がありますよね。
なんかそういう過去の名作を集めた本が一冊あってもいいのに、と思う。