ドライブというもの

昨日の昼、食べてて冨士の樹海の話になった。
学生時代に一度行ったことがある。
飲んでたら勢いで車出して。飲めない誰かが運転した。
90年代半ば。当時はカーナビなんてものは一般的ではなく、
助手席に座って地図を頼りに
あーでもないこーでもないと言ってたもんだった。
というか学生の持つ車にはそんな高級なもの乗せられなかった。


誰と行ったのかも全く思い出せない。先輩なのか後輩なのか。
どういう道順でどこに行ったのかも全く分からない。
高速に乗ったんだろうな。そして山梨方面に向かった。
真夜中の山奥。民家がポツリポツリと建っている。
「樹海」なんて看板は立っていない。
青木ヶ原」は見かけただろうか。


この辺からそうかも、というところに入っていく。
真夜中の森の中。何も考えずに来たから
懐中電灯のようなものはなかった。
入り口をほんの少し歩いて、帰ってきたように思う。
もしかしたら「樹海」でもなんでもなくて
ただの森だったのかもしれない。


学生時代はこんなふうに
思いつきでドライブによく行ったもんだ。勢いに任せて。
社会人になってからそういうのなくなった。
前々から計画して目的地へと向かうものになった。
そして30過ぎてからはドライブすらなくなった。
バーベキューのように無理なく近場の目的地へと
各自電車で現地集合、というような。


ある一定の年代に到達すると
ドライブって家族で行くものなんだろうな。
家に車があって、それに皆で乗るというような。
家屋の延長としての。


なんかふと思ったのが、
若い頃は自動車保険とかそんなこと深く考えていなかったから
誰でも適当に乗り合わせて出かけた。
家庭を持っちゃうとそうもいかないよなと。
そういう事情もあるんだろう。


あるいはレンタカーを借りるか。
借り物でないと、物事が進まない。
公の場での振舞いは
何事もそんなふうになっていくように思う。