2013-04-25 grey drop 詩を書く 雨の中、傘も差さずに歩く この街はどこにも辿りつかない 入口も出口もない 無言の大人たちとすれ違う 誰もがひとりきり俯いて 僕はコートの襟を立てて 灰色の濁流に呑み込まれていく 見上げると空に赤く点滅するものがある 雲の隙間に隠れて、また現れる 雨の中、音もなく墜落する 光もなく熱もなく その瞬間、過去と未来が錯綜する 雨通りでは雨の言葉を書き、雨の歌を聞く その全てが水の中に溶けてゆく 轟く 傾いた灰色の世界 足元の流れに逆らう 僕は裸足になり、跪く 道路に全身を投げ出す