死神に呑まれる

気がついたら見知らぬ町を歩いていた。
夢の中を歩くように、突然僕はそこにいた。
ここはどこなのか…?
見覚えがあるような、ないような。
頭がフラフラする。


夜明け。iPhone を見たら午前4時過ぎだった。
あ、ここは日大二校通りか。すぐ近くじゃないか。
頭が次第にしゃっきりしてきて、何が起きているのか分かりだした。


昨日飲みすぎて、酔っ払って、家に帰りつけずに徘徊していたのだ。
そして無くした記憶・意識が、何かのきっかけにふと戻ってきた。
夢見心地のまま歩く町は眠っていて、ひと気がなくて、
不思議な感触・不思議な距離感があった。妙に近くて遠かった。
町の中に抱かれている、だけどそっけない、というような。


家に帰り着いてシャワーを浴びて寝る。
次に目を覚ましたら午前8時半。やばい。遅刻だ。
いつのまに目覚まし時計を止めたのか…


昨晩は荻窪の「いちべえ」に入った。今回が2回目。
物語講座関係の面子。荻窪だったので僕も呼ばれた。
この、地元だからという油断で失敗したんだろうな。
2軒目入ったところまでは記憶があったんだけど。
後で聞いた話では3軒目にも行っていたようだ…


「いちべえ」では青森の酒ということで「豊盃」と「陸奥八仙」を飲んで、
(田酒はこの日なかったように思う)
その他覚えているのは東北つながりで山形の「東北泉」
島根の「死神」古酒ブレンドで独特の柔らかい澱みとまどろみがあった。
あと名前は思い出せないけど、小泉八雲のイラストがラベルに描かれていた酒。
恐らくこちらも島根だろう。


なんかほんと、「死神」にやられたような、朝。