キルギスの誘拐婚

最近読んだニュースで最もゾッとしたのはキルギスの誘拐婚の話。


「さらわれて花嫁に…キルギス女性が恐れる「誘拐婚」の実態」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130701-00010000-nknatiogeo-asia


「泣き叫ぶ女性を…。誘拐婚の瞬間を撮影」(12:35頃)
http://www.youtube.com/watch?v=5hW-Waz-CNM


その名の通り、
男たちが見ず知らずの女性を町で誘拐して車で連れ去り、故郷の村へ。
家の中に閉じ込められて逃げられない。
一夜過ごすと純潔が損なわれたとみなされ、結婚せざるを得ない。
それまでの人生が一瞬にして奪われて、
見知らぬ家族の間で強制的に新しい人生を送る。
尼崎の事件もそうだったけど、
家庭内の問題だからと警察は干渉しようとしない。


女性の権利が、という以前に人としてただただ怖い。
政治的判断を経たうえで海辺で拉致して
海の向こうの国に連れて行くというのは国際問題になる。
しかしこれはひとつの地方の中で慣習として行われていることだから
扱いが曖昧なものになってしまう。
欧米の人権団体が抗議しているみたいだけど、
この先もずっとなくならないのだろう。


こういう強制的な婚姻関係って昔は世界各地にあったんじゃないかと思う。
もちろん日本にも。そういう民話・昔話を読んだ気がする。
さらわれて、逃げられなくなって、諦めて、そこで暮らしていく。
そういった暴力的なものじゃなくても、
親が決める、社会が決めるのが圧倒的に多かったはずであって
自由意志に基づく結婚ってごく一握りの人だけのものだった。


これをテーマに短編小説を書いてみたくなる。