「アンドレアス・グルスキー展」+BOY初来日公演

イシス編集学校の卒業式イベント「感門之盟」から一夜明けて
昨晩は3時頃まで飲んでいてタクシーで帰って来て、10時まで寝てた。
撮った写真を30daysでアルバムにして、六本木へ。
Billboard Live Tokyo で BOY の初来日公演を見る。


13時半に駅に着いて「天鳳」でラーメンを食べるつもりが日曜は定休日。
通りを渡って向かいの「千成」に入ってみる。
14時前。Billboard Live Tokyo の受付は15時から。
時間が空いたので国立新美術館へ。
車内広告で見た「アメリカン・ポップ・アート展」が気になってた。
行ってみたら 8/7 から。「アンドレアス・グルスキー展」に切り替える。
http://www.nact.jp/exhibition_special/2013/gursky/index.html


どこかで名前を聞いたなあと思いつつ、
ドイツ出身の世界的な写真家の写真展というだけの予備知識で見る。
いくつかの方向性があった。


1)東京証券取引所、マドンナのライブ、北朝鮮マスゲームなど
  数え切れないぐらい大勢の人々が写っている写真。
  ただ写ってるのではなく、その場を作用する圧倒的な力学に
  誰もが否応もなく従っている。制御する側、される側。
  マドンナと聴衆。北朝鮮の指導者と民衆。


2)ツール・ド・フランスや山岳地帯のノルディック競技など
  無機的かつ壮大な自然を幾何学的に加工する人間たち。


3)物を映した写真。
  プラダの靴とそれを陳列する棚。
  ふたつの方向性の力学がやはり発生する。


4)それら方向性をはぎ取られた、物たち。
  カオスのようなゴミ、無機的な絨毯。


などなど。うーん、この分類もうまくいってない。
制御する側・される側といった単純な二項対立じゃないんですね。
全てが非対称的な。
歪んでいるということじゃなくて、虚数を孕んでいるというような。
なので詩的美しさとは別なもの。
写真はデジタル加工するのだという。それがなぜかアナログ的。


写っているのは個々の人間や物の足し算ではなく、
全体性を獲得したときに立ち上がる
「システム」とでも呼ぶべきものを描いているのだと思う。
だからそこでは個々の意味や価値ははぎ取られて、
全体に還元するようになっている。
優れた写真や絵画ってどれもそういうもんですが。


後で調べてみて、あ、この人かと気づいたのが
2011年11月のオークションで写真家としては史上最高の約433万ドル
(当時のレートで約3億4千万円)で落札されたんだった。
ライン川II」という作品。
現時点で3位が同じく、「99セント」(約330万ドル)
どちらも今回の展示の中にあった。
これ、知ってて見ると見ないとでは大きな違いだな…


ライン川II」は病的なまでに美しい作品。
一見何てことない川原の風景だけど
これもまたデジタル加工して
偏執的なまでにゴミなど余計なものを取り除いたのだという。


大きな画像を掲載しているサイトがあった。
http://www.c4gallery.com/artist/database/andreas-gursky/andreas-gursky.html
ライン川II」「ピョンヤン」「モンマルトル」など。
どの写真を見てもいい意味でゾッとする。
感情にならない感情を抱く。


カミオカンデのポスターだけ場内で写真撮影できる。
よく見ると隅にボートに乗った人が写ってる。
あれに気づいたとき別の意味でゾッとした。


先輩とやりとりしていたら
イームズ夫妻の"Powers of 10"を一枚の写真にすると
アンドレアス・グルスキーとなるという話になって、なるほどと思った。

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Billboard Live Tokyo で BOY を観る。
15時に受付を済ませて、15時半から予約番号順に呼ばれる。
最前列のテーブル、前から2列目となる。
アンドレアス・グルスキー展」のカタログを眺めながら
ジャックダニエル・コーラを飲む。
その後竹鶴のロック。


BOY はスイス出身、ヴォーカルとアコースティック・ギター担当の
ヴァレスカ・スタイナー(白のノースリーヴ、黒のミニスカート、タイツ)と
ドイツ出身、ギターとベース担当のソーニャ・グラス
(地味な色の無地のTシャツ、灰色のジーパン)によるガールズ・デュオ。
とにかく曲がすばらしいんですね。
2月に出た世界デビューアルバム『Mutual Friends』は
個人的に今年ベスト3に入る。


「BOY - Little Numbers (Official Video) 」
http://www.youtube.com/watch?v=zsyjS_vJfkw


ドラム、パーカッション、ギター、キーボード、4人の男性メンバーが
演奏をサポート。
全体的にさほどうまくはないけど、
小粋な等身大のインディ・ポップとしてはちょうどいい。
「Drive Darling」「Waitress」「Oh Boy」で始まって、
「This Is Beginning」「Silver Streets」「Little Numbers」で終わった。
『Mutual Friends』からほぼ全曲やったのかな。あとはカバーなど。