「旗本御家人III お仕事いろいろ」

昨晩、誘われて国立公文書館の企画展
「旗本御家人III お仕事いろいろ」を見に行った。
http://www.archives.go.jp/exhibition/haruaki_25_aki.html


竹橋なので職場の近く。
千鳥ヶ淵北の丸公園をブラブラと歩いたときなど
これまで何度か前を通りかかっていたけど、中に入るのは初めて。
企画展の広告を中央線の中でよく見かけていてなんとなく気にはなっていた。


江戸時代の文書、手紙、番付、暦、地図などなど。
無料で配布しているパンフレットの目次を引用すると
・大奥の女性たち(御乳付・薩摩姥・御乳持・御伽坊主)『女中帳』など
・大奥の小児医療(奥医師) 『奥御医師誓詞』(多聞櫓文書)など
・近侍する人々(小姓・小納戸・公人朝夕人)『吉宗公御一代記』など
・観察の仕事(大目付・目付) 『田沼実秘録』など
・公金の運用(先手鉄砲頭の試み) 『続編武林隠見録』など
・記録保存のための仕事(書物奉行・書物同心・小普請) 『後撰和歌集』など
・天文方の仕事 『貞享暦』など
・江戸文化を彩る旗本御家人たち(狂歌・三味線・園芸) 『草木錦葉集』など
幕臣の手紙・金座絵巻 『金吹方之図』など


見てると意外と面白いものですね。
『草木錦葉集』は植物の模写を集めた本で大江戸エキゾチック。
江戸の狂歌を取り上げていたり。
「給金が出るか出るかと松平 出るより早く飲んで下総」など。


その他「女中出世双六」的なものや
小納戸の採用試験の問題が興味深かった。曰く
「武芸を嗜んでいらっしゃるか?」
茶の湯は? 流儀は千家ですか?」
「蹴鞠はなさいますか?」
「月代(さかやき)を剃れますか?」
小納戸って将軍の身の回りの世話をする役目で、何でもできなければならなかった。
取り上げられていた方は40代で吉宗公の死と直面し、
その後80代半ばまで墓守としてご奉公したのだという。


何の本だったか徳川家斉の子供53人の名前と誰が産んだのかのリスト。
子供たちの半数が5歳までに亡くなっていた。


『金吹方之図』は小判というか貨幣を作る仕事を紹介する絵巻。
前段に江戸の地図が掲げられていたんだけど、
今の銀座にまさしく「銀座」があって、
その一方で日本橋に「金座」があってその跡地が日本銀行になったのだとか。
ふーむ。もうひとつ、ふーむだったのが
ここで働く人たちのセキュリティチェックの厳しさ。
全員裸になってバーを越えていく。
原始的だけど、これが確実だよなあ…


カラーで30ページのパンフレットがついてきて、観覧無料。
税金と言ってしまえばそれまでだけど、
せっかくこういう施設があるのだから利用した方がいい。
六本木や上野で大々的に開催するだけではなく、
地味にあちこちで面白い展示をやってるのが東京のいいところだと思う。