根津

半年ぐらい前から本郷でとある方の聞き書きを行なっている。
月に2度ほど、会社帰りに神保町から歩いていく。
水道橋〜本郷三丁目経由だったり、最近は秋葉原〜湯島経由だったり。


1時間から2時間ほど話を伺ってメモして、終わると根津に食べに行く。
いつもご馳走になる。聞き書きの手間賃ということか。


根津はこのことがきっかけで訪れるようになった。
チェーン店はあんまりなくてこじんまりとした個人経営の店が多い。
夜は早く人通りが少なく、街灯がほんわりと灯る。
路地を一歩入るとどことなくなんとなく昭和の匂いがする。


いくつか入った中では、中華料理の「ひろ武」
http://tabelog.com/tokyo/A1311/A131106/13030945/


韓国料理の「モゴモゴ」チヂミがよかった。
http://tabelog.com/tokyo/A1311/A131106/13020669/


それと昨日入った店。路地裏の横丁に入った「海戦茶や田すけ」
http://tabelog.com/tokyo/A1311/A131106/13143633/


カウンターだけの小さな店。一人でやってる。
青森市、西田酒造の「喜久泉」が置いてあった。もちろん飲んだ。
もつ煮込みがトマト風味であっさりクセがない。
聞くと5回も6回も湯がいているのだという。
おでんはカツオだしですっきり。大根に乗ったとろろ昆布がたっぷり。
刺身三点盛りがタコ、アズキハタ、カツオ。
アズキハタが出てくるのは珍しく、もう一皿頼んでしまった。
氷の板の上に乗って出てくる。あとはのどくろの一夜干を食べたかな。


なんといってもすばらしかったのは出し巻き玉子。
最初はプレーンで。おいしかったので2つ目は海苔。
プリップリ、ホックホク。ツヤッツヤ、キラッキラ。
玉子を6個も使ってつくる。2個食べると12個ですよ。
コレステロールなんてもう、いいや! とあっさり振り切ってしまった。
それを玉子焼き器に少しずつ少しずつ注いでいって
何層も何層もじっくりじわじわと焼き上げていく。
この玉子焼きのためだけでももう一度行きたい。


金曜には穴子の刺身を出すのだという。
注文を受けても忙しいときには出せず、手の空いたときに取り掛かる。
氷水に穴子を入れて仮死状態にして…
穴子には臭みのあるイメージを持つ方が多いですが、
新鮮だとそんなことないんです、という。
客の入りは曜日や天候に関係なく忙しい日は忙しいし、暇なときは暇。
金曜が寂しいのはどうかということで始めたのだとか。


2階もあって12人まで入れますとのこと。
コースは2,500円から。この値段で刺身と焼き物と一通り。
飲み放題にすると4時間。ゆっくり味わってほしいからと。
しかも安い酒で悪酔いしても嬉しくないんで
メニューに載ってる日本酒や焼酎からちゃんとしたものを。


いやー、ほんとホレボレするような店。
まだ若くて30代半ば。
雇われて板前をやってたのが、縁あって根津へ。


カウンター席で日本シリーズを見ながら食べた。
巨人が楽天を逆転した。
22時の時点で8回。
西で育ってアンチ巨人だという。楽天を応援していた。
マー君で勝って優勝がいい、という話に僕も頷く。