火曜の夜、お世話になっている方から連絡があって「飲もうよ」と。
中野の普通の安い居酒屋で飲む。
焼酎のトマトジュース割を何倍も飲んだ。
４人のうち１人は女性で、そんな激しく飲んだわけではない。
最後に記憶があったのは22時。メールを送っている。
気がつくと午前２時。住宅街を歩いていた。
どこだここは？
コートの中に iPhone があって、地図を見ると阿佐ヶ谷。なぜ？
しばらくの間、ふらふらと歩き回る。何かがおかしい。
あ、鞄がない…
少し酔いが醒める。探し回る。同じ通りを何度もグルグルする。
見当たらない。
そのまま歩き続けていたら見慣れた通りへ。
意外と荻窪に近かった。
その足で交番に届け出る。
財布と、その中にクレジットカードとキャッシュカードと免許証と保険証…
午前４時半ぐらいだったか。
部屋に戻ってくるものの、鍵がない。
大家さんに鍵を借りればよいが、寝ているだろう。
試しにチャイムを押すが、もちろん反応なし。
２回も３回も押すことはできなかった。
待つしかなく、することがない。
せめてカードを止めようと交番で教えてもらった VISA のコールセンターへ。
かけてみたらつながった。24時間開けているものなんですね。
しかし、名前などもろもろ伝えても該当者無し。
どうも DCCARD にかけないといけないらしい。
番号を教えてもらうにも手元にペンがない。
もういいやと思って、切った。
銀行のカードの方は恐らく日中しか開いてないだろう。
鞄の中には社員証と客先の入館証が入っていた。
紛失すると非常にまずい。
隠していると、連絡が遅れるともっとまずい。
会社に一報、メールを送る。そして午前休すると。
もう一度探しに行く。阿佐ヶ谷まで歩いていく。
やはり見つからず。夜も明けきって
散歩やランニング、早朝出勤の人たちの姿が目に付くようになる。
フラフラと最高潮に眠くなって、荻窪に戻るつもりがなぜか逆方向の高円寺へ。
いかんいかんと思って方向を変えて、その後更になぜか、
北口方面にいたはずが思いっきり南へと突き進んでいた。
地図を見ると青梅街道にぶつかりそうになったので
そこからは何も考えず西へ、荻窪へとまっすぐ歩き続けた。
新高円寺、南阿佐ヶ谷、荻窪と二駅分。
いつもならなんてことないのに、永遠のように長い距離に感じられた。
どうにかこうにか帰り着いて午前７時。
大家さんに鍵を貸してもらう。事情を話すと驚かれる。
鍵を悪用されると困るから
鍵を変えるかもうひとつつけたほうがいいんじゃないかという話になる。
どうにもこうにも眠かったので、
ああはあ、はあまあと適当に聞いて早々に引き上げる。
鍵を開けて、いつもの見慣れたはずの部屋へ。
それがなぜか自分のものではないような気がした。
スーツを脱いで、シャワーも浴びず布団の中に潜り込む。
一瞬で目が覚め、午前11時前。
不思議とそれほど眠くない。起き上がる。
シャワーを浴びる。
iPhone を見ると会社から何度も電話やメールが。
状況を確認したいので至急連絡をくださいと。
慌てて電話する。
その間、知らないところから電話がかかってきていて、
もしやと思って掛け直すと荻窪警察署からで、鞄が見つかったと。
ホッとする。大家さんに鍵を返して、すぐ受け取りに行く。
窓口に行くとまさに自分の鞄がそこにあった。
現金も財布も全て元のまま。
よほど親切な人が届けてくれたんだろうなあ。
世の中捨てたもんじゃなかった。
四隅に穴が開いたのを黒のガムテープで補強しているというボロボロさが、
それを無理してまだ使ってるのがむしろよかったのか…
１万円近い現金が戻ってきて、カード、保険証、免許証の再発行は不要。
不幸中の幸い。
どこで見つかったのか聞いてみたら、驚いたことに自宅住所近く。
阿佐ヶ谷や中野ではなかった。どういうこと？
後で Pasmo を見たら150円引かれていたので、
中野で飲んで荻窪まで JR で帰ってきた。
いったん家の近くまで戻ってきて帰り着いたと安心して、どこかに鞄を置いた。
その後何を思ったか阿佐ヶ谷まで徘徊。
（夏にも、荻窪で飲んで明け方徘徊していたことがあったなあ。
やばい。でもあの時はしっかり鞄を持っていた）
会社に電話する。鞄が見つかったと。
何時にどこで見つかったとか、警察署はどこかとか連絡する。
それ以前のことも。何時に警察署に届けたか、何時まで飲んでいたかなど。
12時になっていたので四面道の「ビンギリ」で坦々麺を食べて出社する。
鞄が数時間後に見つかったとはいえ、
一度紛失届けを口頭でもメールでも伝えてしまうと取り消すことはできない。
セキュリティ・インシデントとして報告ラインに乗り、
この日の午後はほぼ始末書・顛末書の作成で終わる。
根本原因の分析とか（意識の低さが云々かんぬん）
再発防止策であるとか（社員証は鍵の掛かる引き出しに云々かんぬん）。
人事に提出する。翌日部長宛にコメントが戻ってきて、
「岡村さんは一ヶ月禁酒させてください」と。
それとあと全身があちこち痛くて、特に右ひざ。
同じスーツを着て出社して、よく見ると右ひざに穴が開いている。
しまった。ここに出費か。5,000円ぐらい？
でもまあ財布一式無くすことに比べたらまだましか。
そんなこんなで少しションボリ。
せめてものって感じでここ数日は酒を飲んでいない。
とはいえここから先、忘年会シーズン。
何もなければよいのだが…
