谷根千を歩く その3

少し時間があったので根津神社も下見。
社殿を眺めて、外へ。階段を20段ほど上がった小道に
朱塗りの鳥居がずらりと並んでいる。
人一人くぐれるぐらいの小さな鳥居が無数に連なる。
そのひとつひとつに店の名前など書かれていて、奉納したものなのだろう。
空は晴れ、日ざしが眩しい。この後曇り。


11:20 待ち合わせの時間になってチラホラと何人か顔を出す。
6人がここ、「よし房 凛」で蕎麦を食べることになっていた。
10時半の時点で「根津のたいやき」に行列、「よし房 凛」も行列。
開店は11時半だと食べログにあったんだけど実際は11時みたいで、
待ち合わせのときには行列ははけていた。
今入るとすぐ食べられるだろう。
でもまあそうもうまくいかないのが世の常であって
一人が11時半になりそうで、もう一人は12時前。
じゃあってんで根津神社を先にお参りすることにする。
http://www.nedujinja.or.jp/


古びた浴槽を外に置いた家がある。
家々に囲まれた行き止まりの道路で餅つきをやっている。
子供たちがおもちゃを手に遊んでいる側で父親たちが杵を打つ。
根津神社に入る。落ち葉の敷きつめられた境内を歩く。
春、つつじの時期の人手がすごいのだそうだ。
谷根千散歩の集団も増える。
社殿の中では結婚式が執り行われ白無垢の花嫁が厳かに立っていた。
神主が新郎新婦に近付いたり離れたりして儀式が進んでいく。
(僕のいる場所からは逆光でよく見えなかった)
しばらく眺めていたら終わったようで、
一行は外の回廊に出て静々と歩いていった。


おみくじを引いたら僕にしては珍しく大吉。折り畳んで結んでおく。
「朝日かげたヾさす庭の松が枝に 千代よぶ鶴のこえののどけさ」
天の助けを受け諸の災去りて喜びあり心を正直に行ひを慎み
貧者を慈しみ弱きを助け信心怠りなくば益々思ふまゝなり
色に溺れ酒に狂へば凶なり
●願事 思ふまゝなりされど油断すれば叶はず
●待人 来たるべし
●旅立 利益あり行きて吉
●方角 東の方凡 よろし
●縁談 思ふに任すべし たかぶりて破るゝ恐あり


先ほどと同じように鳥居をくぐる。
阿修羅と思われる石像があったり、猫か何か小動物のお地蔵様が祀られていた。


ここで一人合流して、根津神社入り口の交差点にてもう一人。
12時近く、「よし房 凛」は7・8人先客が外で待っていた。
あれこれ話しながら茶店のような長椅子に座って待つ。
入れたのは12時半近く。ちょうど空きが出てうまいこと6人席となった。
お品書きを見る。「かき揚せいろ」や「磯天おろしそば」など気になりつつ、
名物と思われるあたたかい「ごぼう天そば」にする。
残念ながら昼は酒が出ないようだ。
熱燗をキューッと飲みながら蕎麦を食べたいねえと言っていたので残念。
しかし出てきた蕎麦はとてもうまかった。
蕎麦はツルッと喉越しがよく、ごぼう天がサクサク・パリパリしている。
話すのをやめて無心になって蕎麦を食べる。つゆの一滴も残さない。
七味がただ辛いだけではなくどことなくスパイシーに感じられた。
店の中で配られていた「第4回谷根千の落語会 志ん生座」のチラシが
折りたたみ式で高座がつくられるようになっていて、粋だった。
http://p.tl/Layp


食後のデザートは「芋塵」のアイスクリームを寒さで断念、
通りを渡って向かいの「根津のたいやき」に並ぶことにする。
http://tabelog.com/tokyo/A1311/A131106/13003570/
ここで2人合流。隣の煎餅屋に入ったりしながら8人で30分ぐらい待っただろうか。
途中で店員が中から大声で
「残り100個となります。お並び頂いても完売となる可能性があります」
とのこと。「よし房 凛」で食べ終えて13時、
「根津のたいやき」も13時半にはなくなってしまう。恐るべき人気。
僕らのところではまだ大丈夫だろうと思いつつ並ぶものの
前の人たちが8個・10個と大量に買っていく。少し不安になる。
結果僕らの分はあったけど、もう少し後ろにいた人たちはごめんなさい、となったか。
職人のおっちゃんがひたすら焼き続けて、
それを若いあんちゃんが耳を切って袋詰めする。
薄い皮の中にモチモチのあんこが尻尾まで詰まっていて、
普段全く食べない僕でもこれはうまいと思った。


それにしても、今回何人か谷根千在住の方に来てもらったんだけど
「よし房 凛」も「根津のたいやき」も初めてだったり。
地元だと並んでまでして食べないものなんですね。