つくられた物語

昨日見かけて驚いたのが
作曲家:佐村河内守によるとされていた作品が
18年もの間ゴーストライターによって書かれていたというニュース。


「佐村河内さん曲:作られた「物語」」
http://mainichi.jp/select/news/20140206k0000m040086000c.html


交響曲第1番 HIROSHIMA」というタイトルであるとか、
17歳から偏頭痛が始まって35歳で全聾になったとか。
すごい人がいるんだなあと素直に感心してたんだけど、
そう、つくられた物語だったのか。


去年だったかNHKのドキュメンタリー番組を見た人から薦められて
YouTubeで聴いてみた。


交響曲第1番《HIROSHIMA》 / 佐村河内守
http://www.youtube.com/watch?v=iLQUd0hDyZ0


コロンビアのアカウントからの投稿なので
そのうち削除されるかもしれない。


指揮者や演奏家、作曲家が絶賛していて、
改めて動画を見てみるとゾッとする。
大河ドラマの主題歌のようなダイナミックでスケールの大きなメロディー。


(後半「余震発生マグニチュード7.1 震源地:福島」とテロップが出てくるのが
「感動的」ですらあったんだけど、
 今回の事件を知った後だとそれもまた仕組まれたかのように思えてしまう…)


ゴーストライターの方にも何か事情があるのだろう。
自分の名前で発表したらここまで話題にはならなかっただろうし。
どういう経緯なのかは分からないけど、結果的に嘘をついたことになった。
なんだか悲しい。
物語を捏造しなければこの世界と対峙できなかったことが悲しい。
この時代に生きていくことの寄る辺ない寂しさのようなものを感じた。
無名の人は大きな物語を語ることはできないのか。