京都一泊ツアー その6

11時、叡山線に乗る。自動改札だけどICカード使えないんですね。切符を買う。
終点は貴船や鞍馬まで行きますが、風情は田舎の路面電車
僕らの乗った車両は一両編成だった。都電荒川線を思い出す。
のんびりと淡々と走って行く。


一乗寺で下りる。駅を出て西へ。
恵文社を横目にまずはその先の大通り沿いのラーメン屋「高安」へ。
一乗寺は京都イチのラーメン激戦区であるという。
その中でも1位・2位を争う人気店なんだとか。
駅を出て歩いているととてもそうは思えないゆったり感。
ラーメン屋もチラホラとしか見かけない。
それが「高安」の前まで来ると行列。
12時前に行けばすぐ座れるかなと思ったのが間違いだった。
ちょうど11時半オープンの開店待ちの行列だった。
僕らのグループのところでちょうど満席。結局30分近く待った。
ここはスジラーメン、そしてそれ以上に唐揚が名物らしくほとんど皆頼んでいた。
普通サイズの3倍の大きさの唐揚。
それが3個とライスとラーメンの唐揚定食が一番人気とあったので僕はそれにした。
スジラーメンにグレードアップさせて。ライスは小盛り。
運ばれてくる。とろっとしたクリーミーなスープはとんこつとも違う不思議な味。
でも確かにうまい。スジも柔らかくてホロホロ。
唐揚は想像以上にスパイシーだった。ひとつで小ライス一杯いけた。
こりゃ腹がはちきれると残り2個は同行の3人と分けた。


恵文社一乗寺店へ。
http://www.keibunsha-books.com/
セレクトショップ系本屋としては今、日本で一番有名な店だろうか。
独特な白くて淡い静けさをまとった、おしゃれな店だった。
ギャラリー、カフェ、メインの書店、雑貨屋と分かれている。
これが京都市の中心地区ではなく、外れの田舎町にあるというのだから驚き。
本の配置はもっとバラバラかと思いきや、外国文学、日本文学、建築などと
ある程度ジャンル分けされていた。文脈棚ではない。
あくまで本のセレクションか。
しっかり見だすとあれもこれも欲しくなるからと遠目に覗きこんでいたのが、
やがてムラムラと来て結局たくさん買い込んでしまった。


渋沢龍彦編『言葉の標本箱 夢のかたち』(河出文庫
ブッツァーティ『七人の死者 神を見た犬』(岩波文庫


・『作家の家』その名の通り、作家の住んだ家を写真で紹介する。
 吉田健一山口瞳渋沢龍彦石井桃子長沢節など。


・『ontario A VISUAL JOURNAL』
 街やそこに住む人たちの切り取り方がやたらセンスのいい雑誌。
 日本人編集者がニューヨークで出している。
 http://www.ontariopaper.com/


・ADRIAN TOMINE『SLEEPWALK AND OTHER STORIES』
 オルタナティブ世代にとってのアメコミとでもいうのか。
 日常生活の何気ない、だけどどこかやりきれない一コマを淡々と切り取る。
 アメリカで人気の作家みたいなんだけど。その日本版。


もう一軒「ガケ書房」に行こうかとも最初計画していたけど、
こりゃもう一軒行ったら行ったでまた買い込んでしまうとやめにする。
叡山線に乗って京阪線まで戻ってきて、そこで別れる。
僕ともうひとりは三条京阪で下りて、残りふたりはその先へ。
一緒に下りたもうひとりとも改札で別れる。
こういうのってなんだか寂しい。