初めての高尾山

学校関係が土曜でようやくあれこれ一段落ついて、
日曜は初めて高尾山を登りに行った。
中央線沿いに住んで十数年。
そのうち行くかと思い続けていると一生行かないもんですね。


朝7時に起きて、ジーパンにTシャツ、スニーカーで部屋を出る。
登山用の格好は何一つ持っていない。
ビニールシートを一応持っていく。
他には先日買った高尾山のコースガイドをリュックサックへ。
長袖のネルシャツとそれぐらい。
今思えばタオルも持っていけばよかったけど、
今回はそれほど暑くならなかったので不要だった。
日焼け止めは塗ったけど、虫除けを掛けるのは忘れた。


中央線に乗って高尾へ。八王子から先は初めて。
混んではいなかった。座っていけた。
高尾で京王線に乗り換える。
この辺りから登山客ばかりになる。
年配の方は当然、若者たちも男女問わず登山ウェアに身を包んでいる。
トレッキングシューズに登山用のロングパンツ。
山ガールがかっこいいとされる時代。
僕みたいなジーパンにスニーカーは少数派だった。
京王線のホームに上るとミネラルウォーターが売り切れ。
一度階段を降りて改札近くの自販機で買う。


高尾から高尾山口までは一駅。改札を出るとまさに登山客ばかり。
京王線が出しているスタンプラリーの台帳を兼ねた地図をもらってスタンプを押す。
駅舎を出ると向こうに「トリックアート博物館」が見える。
箱根の趣味でやってるミュージアムの類か。どうなんだろ。


2・3人から20〜30人まで。
様々な規模のグループが駅前に集まって準備運動をしたり、装備を確認している。
大きめのザックにいっぱい詰めてスパッツを履いて、
トレッキングポールを持った方たちも多い。
高尾山の頂上が目的なのではなく、そのさらに先、陣馬高原へと向かうのだろう。
9時過ぎ、それらの人たちにくっついて登り始める。
串に刺した団子を店先で売っている。山菜を売る店もある。
おみやげ屋にはわさび漬けや天狗のストラップ、ムササビのちいさなぬいぐるみなど。


少し行くとケーブルカーの清滝駅、リフトの山麓駅に出る。
乗らずに山道へと入っていく。
「一号路」という一般的なコースに入る。
http://www.takaotozan.co.jp/cource/
家族連れや登山仲間、学生たちのグループ。一人という人は少ない。
時々ものすごいスピードで駆け下りてくる人がいる。
陸上選手が山登り・山下りのコースをトレーニングしているのだろう。
ランナーたちの姿、あちこちで見かけた。


この一号路、いきなり結構な坂道で「なんだ侮れないな」と最初のうち思うが、
コース自体は短くて(3.8km)1時間で頂上まで着いてしまった。
登り始めてすぐの展望台から八王子方面を見下ろす。
曇の日だったので白く霞んで遠くが見えなかった。
途中で見かける木々は大きくて
その太い根がエネルギーの奔流のように地面を突き破って絡み合っていた。


道の所々に「六根石」が置かれている。
眼・耳・鼻・舌・身・意の6つですね。
それらの文字がひとつ描かれた黒い丸い石が台座の上に置かれ、
その下には石車。これを回転させるとご利益があるのだろう。
http://www.takaosan.or.jp/rokkonseki/index.html


10時、半分来たところにケーブルカーとリフトの駅があった。
ここのビアガーデン「高尾山ビアマウント」が人気なんだけど、
営業は6月下旬からだった。
http://www.mount-takao.com/beermount/
この日は披露宴で貸し切り。そういうこともできるんですね。


売店でソフトクリームを買う。冷たくておいしかった。
「高尾山 さる園・野草園」を通り過ぎて
(なぜか垣間見える園内にはカールおじさんばかり)
http://www.takaotozan.co.jp/monkey/
根っこがその名の通り蛸の形をした「たこ杉」
(昔は触れたらしいのが、ツルツルになりすぎて今は囲いがなされている)
ここのおみやげ屋の食堂(茶屋)では「天狗ラーメン」というメニューがあって、
天狗の鼻に見立てたとろろご飯を揚げた長い棒が入っていた。


薬王院」の門が見えてくる。
http://www.takaosan.or.jp/index.html
「殺生禁断」と書かれた大きな石碑が立っていた。
その反対側には寄進した人たちの名前が書き込まれた板が並ぶ。
中に「The JAYWALK」が。そして「八王子市 北島三郎」が!
京王電鉄高尾登山電鉄と並んで最も大きいサイズで。
その先も「○○講」などと同じような感じで「北島ファミリー」の方たちの名前が。


108の階段となっている「男坂」とゆるい上り坂の「女坂」
もちろん「男坂」へ。そこからまた少し歩いて境内に入る。
勇壮な天狗の像が左右に立つ。
お坊さんたちも天狗に由来する格好をしている。
剃り上げられた頭には黒くて丸い頭襟をつけて、法螺貝を吹いている。
「天狗の落とし文」というカードを7人のお坊さんが配っている。
一日のうちのこの時間帯だけなのだという。大勢が群がる。
僕も7枚もらった。結構いいことが書かれている。
「忙しい時だからこそ 立ち止まるのも大事です」
「いい事はどんどん真似ていこう 真似から入って何を感じるかが大事」
「世間の風評に惑わされず 自分自身で見極め判断せよ」
「慢心は命取り 真心で接し真心で応える」
「感謝 感謝 自分の周り全ての事に感謝」
「楽ばかり追わない 楽は逃げてゆく」
「与えたら黙り 受けたら語れ」
特にこの7枚目、なかなか深いこと言ってますよね。