モヤモヤしたもの

昨晩は3.11関係の本をまとめて広い読む。

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福島原発の闇 原発下請け労働者の現実』堀江邦夫、水木しげる


有名な『原発ジプシー』の抜粋ということになるのかな。
1979年に『アサヒグラフ』に書かれたルポルタージュ
「一九七九年四月、一人の青年が死んだ」と始まる。


作者は下請けの作業員となって
日雇い労働者や地元住民らとともに原発の奥深く、潜り込む。
福島第一原子力発電所美浜発電所敦賀発電所
放射能への防護は不完全、現場は混乱が渦巻くばかり。


そのおどろおどろしさを水木しげるが渾身の筆で描き切っている。
発電所の中を見ることはできなかったのに。
戦争に通じるものを感じたのだという。
最近話題の漫画『いちえふ』はどうなのだろう?

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『3・11万葉集復活の塔』彦坂尚嘉、五十嵐太郎、芳賀沼整


避難所のお年寄り、南相馬市の中学生から天皇陛下まで句を集める。
後半の「復活の塔」を建てる件などどこか自己満足と思えなくもない。


一句だけ、目に留まった。
「故郷を追われ真昼にみぞれ降り雲間に光る鳥の家あり」和合亮一

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『この言葉を忘れない 3.11語りつぎたい勇気と感動のつぶやき』


震災から1か月後に発売している。
Twitterから国内外の希望と感謝に満ちた話を拾い上げる。
取り上げるのは日本人の優しさだけ、その闇のなさがむしろ切ない。
「人は奪い合えば足りないが分け合うと余る」
この一言が心に残った。


前半は無名の人たち。後半は著名人たち。
ビートたけし、デーブ・スペクター、江頭2:50内田篤人村上龍
バラク・オバマフランチェスコ・トッティジョン・ボン・ジョヴィなど。

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『震災句集』長谷川櫂


数々の賞を受けている人の句集なんだけど、
特に心を打つものはなかった。

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もう少し長めの、
『裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす』たくきよしみつ
というのを会社の行き帰りに読んでいる。


それとあと昨晩は
『オーキフ画集 イン・ザ・ウェスト』も重ね合わせて眺めた。


真夜中、図書館に本を返しに行った。
モヤモヤしたものはこの程度じゃ晴れそうにない。