「バルテュス展」

昨日は有給。ボーナスも出て、恒例の中野ブロードウェイへ。
まずは Recomints で中古CDを買う。
かつては洋楽、邦楽、ハードロックで店舗が3つに分かれていたのに
1つになってその分品揃えも普通になった。
新譜のCDが売れないとなると中古CD業界も厳しいのか。
それでも、「おお」と掘り出し物があって買ったのがいくつか。
ローザ・ルクセンブルグの『ぷりぷり』や
パラダイス・ガラージの『Rock'n'Roll 1500』
Camper Van Beethoven の初期5枚組の小さなボックスセット。


2回に下りて、天ぷら「住友」にてかき揚げ定食の上と
玉子焼き、キリンのラガー。
買ったばかりのCDを眺める。
突然ドカンと大きな音がしてガス爆発?
近くに雷が落ちたようだ。
朝から快晴で最高気温30℃だと聞いていて、油断した。ゲリラ豪雨
中野ブロードウェーから中野駅までずっとアーケードなので濡れずにすんだ。
中央線で神田まで、山手線に乗り換えて上野駅に着いた頃、雨が上がる。
途端に青空が広がって暑くなる。
久々の上野公園。スタバができている。なんだか小奇麗だ。


東京都美術館バルテュス展を観る。
もう少しで終了ということもあってか、平日なのに混んでいた。おばさんばかり。
http://www.tobikan.jp/exhibition/h26_balthus.html
http://balthus2014.jp/
ピカソをして「20世紀最後の巨匠」と言わしめたんだけど、
正直僕はよく知らなかった。
西欧絵画史数百年分のエッセンスを一気通貫して
少女と猫をモチーフに幻想的で官能的でアイロニカルな絵を書くんだけどどこか醒めている。
ソファに女性が横たわっているだとかテーマも構図も見慣れたもののはずなのに
どの時代にも当てはまらずはみ出ていくものがある。20世紀でも21世紀でもない。
バルテュス的存在感。
20世紀はそういうはみ出し者たち、バルテュスやベーコンの時代だったのだな、と思う。


残念なのは習作ばかりが並んでいたこと。
習作がその後どうなったか、完成形が写真で隣に並んでいて、
もちろんそちらの方がデキがいい。
「山(夏)」であるとか、「トランプ占い」であるとか、「街路」とか。
うーん、この本物を観たいなあとやきもきしてしまう。
これら並べずして本当に今回が決定版なのだろうか? 「最大規模の回顧展」だと?
本当に節子夫人が全面協力したものなのだろうか?
アトリエを再現したスペースとか、そのアトリエの実物を篠山紀信が撮影した写真とか、
江國香織バルテュスを訪れたテレビ番組? の抜粋であるとか、
普通なら画家をいろんな角度から捉えていて工夫してるなあと思うところが
ほんと今回並べるものがなかったんだなあと思わせてしまう。


観るべきものは上記リンク内の
「夢見るテレーズ」「美しい日々」「樹のある大きな風景(シャシーの農家の中庭)」
「トランプ遊びをする人々」「地中海の猫」「朱色の机の日本の女」これぐらいか。
篠山紀信の写真が瑞々しい色彩感覚が美しく、ああ、これだけでも図録を買ってもいいなあ
と思っていたら図録ではほとんどカットされていた。
なので図録を買うのは珍しくやめにした。これらの作品の絵葉書だけ。
(入り口で配っていた朝日新聞の号外さえあれば十分)
展示スペースを出ると
ハチミツ、紅茶、ジャム、キャンディ、ハンドクリーム、キャンドル、Tシャツ、トートバッグ、
などとコラボ商品がたくさん並んでいたのが興ざめにダメを押した。
見どころはオーディオガイドが節子婦人によるものだ、ということぐらいか。


美術館の外に出て歩いているとヘブン・アーティストの大道芸が客を集めている。
修学旅行生たちが隅に集まって体育座りをしている。
炎天下、上野駅前の坂を下りていく。
一蘭」がなくなって「トナリ」になったのか。
イタリアンの店に入ってテラス席でハードシードルを飲む。