Colourful Life 2014

ソファーがあった、白いソファーだった
その横には観葉植物が並んでいた、四角い窓を背景としていた
その脇の床には灰皿が置かれていた、吸い殻がきれいに並べられていた
口紅がかすかについていた、紅い口紅だった


部屋の中は薄暗かった、窓の向こうがやけに明るかった
ソファーの反対側には冷蔵庫が置かれていた、年代物の白だった
そこにはたくさんのメモが貼られていた、カラフルだけど無機質なマグネットだった
その中の一枚は牛乳キャットフード缶ビールと書かれていた、取り消し線が引かれていた


本棚に本を詰めている途中だった、読みかけの本が伏せられていた
ベランダで猫が締め出しを食らっていた、柵を伝って隣の部屋に行こうとした
若い女性が床に仰向けになって倒れていた、手足をおかしな角度に広げていた
血まみれのナイフが転がっていた、ドアは既に閉じられていた


天井から吊り下げられたモビールが揺れていた、揺れていた
赤に青に緑の鳥たちが空に浮かんでいた、ゆるやかに回転していた
鳥たちがバラバラにさえずっていた、やがてそれも聞こえなくなった
彼女の目がそれを見つめていた、その全てを見つめていた