Hooters

時々無性に聞きたくなるバンドのひとつに Hooters がある。
オレンジのホットパンツとタンクトップを着たウェイトレスのいる店のことではない。


(そういや、昨年夏は大手町サンケイビル入り口の広場に
 Hooters のビアガーデンができていたけど、
 今年は「天空のビアガーデン」とかいう別なものになっていた。
 昔、バドガールのいる店っていうと面白がって行ったもんだけど、
 そんなたいしたことはなく。
 Hooters もそういうもんだろうかと結局ビアガーデンには行かなかった)


フィラデルフィア出身の80年代のバンド。
「And We Danced」(朝までダンス)がヒットした。
と書くと過去のバンドのようだけど、再結成して今もライブ活動を行っている。
ブルース・スプリングスティーンに代表されるような豪快にして繊細なアメリカンロックと
マンドリンアコーディオンといった楽器をうまく前面に出して
民族音楽としてのフォーク、今でいうところのアメリカーナとを巧みに融合した。


メジャーデビュー後の最初の3枚がとにかく曲が良くて
バンドにも勢いがあってやたらキラキラしてるんですね。
聞いてると背中を押してくれる。


「Engine 999」
https://www.youtube.com/watch?v=9CWikMyFOLE


「Brother, Don't You Walk Away」
https://www.youtube.com/watch?v=NvVDBQ-UU38


このバンドを語る上でどうしても外せないのが、
バンドの中心人物にしてメイン・ソングライターのエリック・バジリアンとロブ・ハイマン、
そして初期メンバーにしてその後プロデューサーに転身したリック・チャートフのつながりが
シンディ・ローパーの名曲「Time After Time」を生み出したということ。
曲そのものはシンディ・ローパーとロブ・ハイマンの共演。他にも何曲か作っている。
1st アルバム『She's So Unusual』(1984)はエリック・バジリアンとロブ・ハイマンが演奏して、
リック・チャートフがプロデュースを担当している。


そんなふうにして Hooters 以外にもあちこちで客演したり曲を提供してるんだけど、
もうひとつこの3人組が全面的に関わった作品で忘れられないのは
ジョーン・オズボーンの 1st アルバム『Relish』(1995)
提供した名曲「One of Us」が大ヒット、グラミー賞に多数ノミネートされたものの
全てアラニス・モリセット『Jagged Little Pill』にかっさらわれる。
(しかし僕が今聞いてもそれは仕方ないな、『Jagged...』の方がいいと思う)


「Joan Osborne - One of Us」
https://www.youtube.com/watch?v=xZEO1Lug25s


その「One of Us」と「Time Afer Time」のセルフ・カヴァーを収録しているのが
『5 x 5』というEPで、出たのが2004年でもう10年も前になるけど、
昔のファンでこの存在を知らない人も結構いるんじゃないかな。
でもまあこれはコアなファン向け。
http://www.amazon.co.jp/dp/B003M8DVCG


オリジナルアルバムはなかなかリマスターで再発されず、
それでも探していたらなぜか2枚組に初期の3枚を押し込んで入れたのが発売された。
http://www.amazon.co.jp/dp/B009E7M940
うーん、なぜ分けて出してくれないのか…
2枚目の名作『One Way Home』が半分に分かれて収録されているんですよ!
素晴らしくいけてない。
Sony Music Entertainment からライセンスを受けてなぜかイギリスの
「BGO Records」という 2 in 1 の好きな再発専門(?)のレーベルから出ている。
誰かちゃんとした体裁で再発してくれよ!
iTunes Store にもなかったりするんですよね…
こんな不遇でいいのか!
(今日は人知れず、それが言いたかったのでした)


あと思うのは4枚目『Out of the Body』も評価されてほしい。
1曲目の「25 Hours A Day」は名曲。
Hooters のオープナーにハズレなし。