福島へ その6

13時過ぎ。雨が強くなって引き返す。この日の撮影はここで終了。郡山へと戻る。
帰り道、雨雲がわずかでも切れて青空が欠片にも覗いて
山がきれいに撮れそうな箇所に差し掛かったら停車してもらって三脚を構えた。
国道401号線を北上し、289号線と交差するところに位置する
道の駅「きらら289」にて14時頃遅い昼食を取る。この時間でも結構混んでいた。
南郷トマトを使った「チーズトマトラーメン」にする。
味噌味がベースなのか担々麺に近い。奇抜な味ではなかった。
大ぶりのトマトの輪切りが2枚入っていて、溶けたチーズと絡んで意外とおいしい。
ここのもうひとつの名物が「わらじソースカツ丼
会津若松〜南会津はB級グルメ的にソースカツ丼を押してるみたいで。
ここのはお椀からはみ出ていた。


食べながら聞いたところでは
只見の方では昔、文字が発達せずに鍬などの農機具の並べ方が
メッセージを残す手段になったとのこと。
今もそれがいくつか保存されて展示されている。
郡山や中通りではそれとは違って伝説を伝えることが発展した。
文字情報だけではなく、非文字情報だけでもなく。
両方を交差させて現代に生きる我々がいかにそのメッセージを甦らせるか。
考古学でもなく民俗学でもなく言語学でもなく歴史学でもない。
こういった学問は面白い。


磐梯熱海温泉室町時代、京の萩姫がここで湯治をして病を直したことから
温泉地として知られるようになった。
伊豆の熱海との関係は、源頼朝の家来がこの地に移り住んたことに由来する。


会津若松市まで出て、高速に乗る。
この日は磐梯熱海温泉の「一力」に泊まる。
2年前の冬に泊ってとてもよかったので再訪。
会津若松から磐梯熱海猪苗代湖を挟んで結構近いんですね。
インターチェンジで言ったら3つか4つ。
この日は最後、磐梯山サービスエリアで山頂を雲に覆われた安達太良山を撮影する。


一力まで送ってもらって、Yさんと別れる。
ウェルカムドリンクのワインを飲む。
この前来た時には雪が降っていたので入れなかった庭園を歩いてみる。
池の鯉に餌をやろうとフロントでもらったパンくずを撒いたら
バシャバシャと寄ってきた。
口をバクバクと真ん丸に開けて天を仰ぐ姿は何か別のエイリアン的な生き物のよう。


温泉に入る。高くもなくぬるくもなく、ここの露天風呂は落ち着く。
ポツリポツリと雨が降っていて、森に雲がかかっているのを眺めながら温まる。


夕食。
前菜   じゅんさいレモン酢、無花果胡麻クリーム掛け、鮎の一夜干し。
     南京豆腐、甘海老の唐揚げ、
造里   お作り盛り合わせ 妻色々(海老、鯛、マグロだったか)
焼物   丸茄子の釜焼き
煮物   冬瓜釜盛り(冬瓜が器になっている) 冬瓜 焼き湯葉 海老団子 ミニオクラ
箸休め  キタアカリのビシソワーズ
進肴   鰈の姿揚げ
強肴   エゴマ豚しゃぶしゃぶ(トマト釜盛りの冷しゃぶから選ぶ)
食事   ずんだ麺(ざるそばとなっている)
留椀   赤だし
デザート ヨーグルトムース オレンジ釜ゼリー(5種類から2種類選んだ)


テレビをつけると「世界の村で発見! こんなところに日本人」のスペシャル。
カンボジアの貧しい地域の母子寮で働く僧侶の3代目。
青年海外協力隊で訪れたボリビア南部のタリハが忘れられず戻った男性。
ユジノサハリンスクにて戦前から暮らしてついに日本に戻れなかったおばあさん。
サハリンは僕が訪れた場所がたくさん画面に出てきて懐かしかった。
ガガーリン公園のガガーリンの像なんて泊ってたホテルの裏だった。


もう一度温泉に入って疲れて23時過ぎには眠る。