うどん県の旅 その1

土日は編集学校29破のメンバーによる旅行で香川県へ。
半年前の伊香保温泉に続く2回目。
やはり今回も香川・徳島在住の方がいて、車を出して案内してくれる。
周りの皆が日程を決めてくれた。
僕は「うどん? いいねえ」「温泉? いいねえ」と合いの手を入れるだけ。
土曜は源平と石の町、牟礼町をイサム・ノグチ庭園美術館を中心に訪れ、
瀬戸大橋の櫃石島の民宿に泊まって、日曜は金毘羅さん詣でとなった。


土曜。朝5時起き。前の晩寝たのが0時近くだったので眠い。
バックパックには着替えと『るるぶ』とiPhoneのバッテリー。
虫除け、日焼け、ポケムヒなどの薬もろもろのセット。
持って行く本は川勝正幸『ポップ中毒者の手記2』を続きから。
昨晩ジンギスカンを食べ過ぎて、胃腸薬を飲んで外に出る。
昨晩タワレコに買いに行った
サラ・マクラクランのベストアルバムを聞く。


丸ノ内線は銀座まで。
有楽町で山手線に乗り換えて浜松町からモノレールに乗る。
朝6時台だというのにキャリーバッグをお供にした人たちで混んでいる。
週末、東京を離れて遠くで過ごすという人は多い。
空港を前にして工業地帯に差し掛かるとこんな時間から高い煙突に白い煙が。
炎が吹き出ているものもある。24時間操業しているのだろうか?


ANA531:羽田0725発、高松0840着。
7時前に到着して時間もなく、すぐ保安検査場へ。
今回はeチケットをiPhoneのアプリ「PassBook」に入れてみた。これは便利。
ANAのアプリもスタイリッシュでいい。
出発ロビーをブラブラ歩いているうちに搭乗時刻になる。
満席とはならず7割か8割ぐらいか。僕の横も開いていた。
翼の隣となる。滑走路を走りだすと地上の整備員たちが手を振ってくれる。


空へ。『ポップ中毒者の手記2』と『るるぶ香川県』を交互に読みながら、
窓の外を眺めながらぼんやりと過ごす。
青空にひこうき雲が2本。
1本はまだ新しいのか白くて細く、もう1本は帯のように広がっていた。


高松空港着。青森空港と同じぐらいの大きさか。
うどん出汁の出る蛇口を聞いて調べてみると2階の「空の駅かがわ」の中にあった。
http://www.shikoku-np.co.jp/udon/soup_tap/
紙コップで受けて飲む。
極めてオーソドックスな味なんだけどまだ気温の低い朝に飲むと体がほっこり温まる。


1階のレンタカーのブースの前で飛行機組が集合。
送迎のライトバンに乗ってレンタカー屋へ。少し離れている。
カウンターが2つに対し何組も借りに来ていて結構待たされる。
しかし飛行機の到着しない時間帯はガラガラなんだろうな。


高松市内へ。カーナビに入れて北へ。
向かうは「さか枝」高松市内中心部にある。
http://www.my-kagawa.jp/udon/detail.php?id=12
セルフサービスと言えばここ、なのだとか。
NHK FMの香川放送局を聞く。
ワールドミュージックの番組でインド音楽が流れる。
それに混じって矢野顕子「中央線」が。どういう選曲だったのか。


しばらくロードサイドの店が並んでいて、こういうところは全国変わらない。
市街地に入る。なんかちょっと
東北でもない関東や関西でもない何か、空気感とでも呼ぶものが見え始める。
色合いのようなもの。緑や茶色、水色と黒の入り混じったような。


「さか枝」の駐車場で合流。
夜行バスや「サンライズ瀬戸」のメンバーはもっと早く合流して、
朝食としてもう一軒行ってたのだとか。
事故の影響で「サンライズ瀬戸」は1時間近く遅れたようだ。
高松市はモワッと湿度があって暑かった。


彼らは先に食べていたとのこと。飛行機組が古びた店の中に入る。
「右側から入ってください」と言われて、よく分からずまごつく。
ルートが決まっている。
右側のカウンターで注文をする。
かけうどんの小が180円、中が210円、大が240円。
ぶっかけ の小が200円、中が240円、大が260円。
釜玉うどんの小が280円、中が320円、大が340円など。
かけうどんの中にする。
天ぷらをいくつ食べるか聞かれる。
左側をチラッと見ると大きなトレイに天ぷらがたくさん乗っている。
とりあえず3つとする。1個80円。合計450円。
左に進むとすぐ器に盛ったうどんが出てくる。
かけうどんなのに出汁が入っていない。
これ? と思ってキョロキョロすると向こうで入れてくださいと。
そうか、だからセルフサービスか。
天ぷらのトレイから選ぶ。
ちくわ、いか、れんこん、玉子、ごぼう、茄子、かき揚げ、アジフライ?
丸天、じゃこ天、赤天、上天など。きつねもあったかな。
僕はちくわ、いか、きくらげ入りの丸天にする。


え、えーと次は? とトレイを持ってウロウロしていると
店のおばちゃんが「薬味を入れてください」と。
ネギ、ゴマ、生姜、天カス、わさび。
最後にタンクに入った出汁を蛇口をひねって。
テーブル席に着く。温かい出汁が柔らかい味わい。
うどんもコシがあって静かに自己主張する。
天ぷらは揚げたてではないけど、出汁によく合った。
さすがうどん県。いきなりおいしい。
この出汁をポットに詰めて一日持ち歩きたいと思った。


よく見るとカウンターにぶら下げられている札には
ぶっかけや釜揚げと並んで「きそば」なんてのがあった。
常連さんらしき男性が天ぷらを入れず、そのかけそばだけを食べていた。
あの境地に達するにはどれだけ通わないといけないだろう。