「紅葉の緑蔭幻想詩華集」

月蝕の今日、フラワーアーティストであり、編集学校の先輩塚田さんに誘われて、
「紅葉(もみじ)の緑蔭幻想詩華集(アンソロジー東雅夫×塚田有一」へ。
http://onshitsu.com/2014/09/20-140616.php


場所は神保町、東方学会のビルの中の「リムグリーン」という塚田さんのアトリエ兼オフィス。
「おつまみ母さん」の近く。
今まで職場から近すぎたがゆえに、一度も訪れたことがなかった。
温室のように緑色濃い植物たちに囲まれた空間だった。
都会のオアシスとしてもっと早くから通っていればよかった。
神保町を代表するアートな場所のひとつだと思う。


東雅夫さんは文芸評論家、怪奇文学や幻想文学アンソロジストであるという。
『幽』という雑誌を主催している。
(ちなみに若いころは『遊』の読者であったのだとか)
かつては『ムー』で「日本伝説紀行」という
幽霊の片袖であるとか人魚のミイラであるとか
日本各地の不思議な伝説を紹介する連載を持っていたとのこと。


この塚田さんとのコラボレーションのシリーズでも
塚田さんが四季折々の植物について語り、
東さんがテーマとなった植物にまつわる日本各地の伝説を持ってきて読む。
今回は「もみじ」だったので長野県戸隠の「鬼女紅葉伝説」を解説し、
実際にゆかりの地を訪れた時のことを語り、
津村信夫による「戸隠の絵本」という短い作品を朗読した。
この朗読に合わせて塚田さんはふたつの鉢に花を活けた。
錦秋ということで金魚鉢を意識したまん丸の透明な鉢に、色とりどりの秋の花を。


冒頭はその塚田さんがもみじについてあれこれとレクチャーを。
語源の話が印象に残った。
紅の色は紅の花から1%しか採ることができず、
もみじとは「もみだす」ことであったという。
そもそもみどりとは実を採ることであって…


休憩時間にはもみじの天ぷらが出てきた。
関西では割とよく見かけるようなんだけど、僕は初めて食べた。


そもそもなんでこのふたりの組み合わせなのかというと
柳田国男も言うように「植物が伝説の道しるべになる」ということ。
次回は12/6でテーマは「椿」また聞きに行こうと思う。

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終わった後、塚田さんから東さんを紹介されるが名刺を持ってきていない。
少し話したけど、ほんと少し話しただけ。
去り際、塚田さんから「今度一緒に何かやりましょう」と言われても
ライブで何かをするのは向いてないしと尻込みしてしまう。
なんか最近ガツガツしていない。いかんなあと帰り道自己嫌悪。
世に出ていく人はこういうときにどんどんつながりを作っていくものなのに。