マリーナ・ショウ「Who Is This Bitch Anyway?」リユニオン・ツアー

昨晩は来日したマリーナ・ショウ
「Who Is This Bitch Anyway?」リユニオン・ツアーを観に行った。
Billboard Live Tokyo はこれで3週連続。
先々週、Basia で来たときに開演前チラシを眺めていた妻が見つけて
これはぜひ見たいと。
ドリカム好きな妻曰く、吉田美和のソロアルバム「beauty and harmony」で
今回のバックを務めるギターのデイヴィッド・T・ウォーカー、
ベースのチャック・レイニー、ドラムのハーヴィー・メイソン
全面的に参加していてツアーにも出ていたのだと。
その中で美和ちゃんは彼らにとても愛されたのだと。


マリーナ・ショウは僕も何枚か持っていて、
「Who Is This Bitch Anyway?」は無人島に持っていく一枚に選ぶ人も多い名盤。
このアルバムの録音に立ち会ったミュージシャンのうち、
キーボードのラリー・ナッシュを含めた5人が再会してステージを行うという。
ああだったら僕も観てみたいなあと思った。
再発盤のアルバム解説を読むとここ Billboard Live Tokyo で
2009年から毎年このリユニオンツアーをやってるみたいですね。


2週間前の時点でほぼ完売。
土日と3日通しの公園のうち、最終日昨日月曜の2ndステージにわずかに空きがあった。
上の階の右真横から見下ろす席。
3週続けて観に来て、今日が最も客層が音楽通っぽいと妻が言う。


現れるなり大歓声。
マリーナ・ショウは杖をついてステージ上の椅子へと向かう。
演奏の最初の音、最初の歌声を聞いただけでこれは相当スペシャルな音楽だと気づく。
マリーナ・ショウのドスの利いたダミ声。
デイヴィッド・T・ウォーカーの滑らかにしてふくよかなギター。
バックの3人も余裕綽々で支える。
このメンバー、知名度から言っても世界最高峰のひとつか。
僕が普段聞いている音楽は何だったのだろう?


コンサートホールやライヴハウスではなく
こういうクラブのテーブル席やカウンター席で聞くというのがとてもよく似合う。
僕はウィスキーをロックで飲みながら聞いた。
マリーナ・ショウはアドリブを交えつつ、歌い終えると喋り始めてそれがまた歌うようで。
そのひとつひとつに魅せられ、観客を乗せていく。


スーツを着て大学教授のような風貌のデイヴィッド・T・ウォーカーは
よく見るとギターを一切エフェクターに通してないし、曲の間にチューニングもしないんですね。
これはよほどの凄腕じゃないとできないこと。生のまま聞かせる。
昔、Rockin'on を読んでいたらジェフ・ベックのライヴを観た渋谷陽一
途中で一切チューニングをしないでステージをやり通したことに感心していた。
なんか確かに、一曲ごとにチューニングしてるギタリストは無駄に神経質で自信がなさそうで、
そうでもないと間が持たせられないというか。
僕はギターを弾けないので実際のところは分からないけど、
きちんとした耳を持っていてきちんとした腕を持ったギタリストがチューニングしたら
よほど激しくかき鳴らさない限り、そんな簡単に音は狂わないのではないか。


1曲目でいきなりもってって場を温めたところで
アルバム冒頭の「ダイアローグ」をハーヴィー・メイソンと。
半分以上聞き取れなかったけど、単なる再現ではなくて2015年版の四方山話というか。
どの曲もソロを十分に時間取って長くなって
「Who Is This Bitch Anyway?」の曲は全部はやらなかったかな。
替わりにアルバムに入ってなかった曲もいくつかやったように思う。


上の階から見下ろしていたのが悔やまれる。
ステージ前のテーブル席で観ていたら生涯忘れられないものになっただろうな。
上からだと動きの少ないデイヴィッド・T・ウォーカーは背中だけ、
手元は一切見えなかった。これが心残り。
来年は早めにチケットを押さえてもっと間近で観たい、観るんだ、と帰り道妻と誓う。