怖い出来事

昨晩こんなことがあった。
夜寝る前に明日は資源ゴミだと
ダンボールと古新聞を捨てるためにガレージへと下りていった。
ダンボールはあったが古新聞を詰めた紙袋が見つからない。
ダンボールだけを捨てに行く。
戻ってきて電気をつけて辺りを見渡してみるがやはりそこにはない。


いつ持って行ったのだろう。
日曜の午前中置いたのは覚えている。
その日の午後ふたりで出かけている。そのときか。
いや、共働きのふたりとも出払っている月曜の日中か。


なんだかぞっとする。
誰かが持っていったのだろう。
荻窪に住んでいたとき、ゴミ捨て場に置いた古新聞を詰めた紙袋を
真夜中や早朝、区から委託されたのではない古紙回収業者が
無言で持っていくのを何度も見かけたことがある。
今回もそういうのだろう。
目ざとい業者がガレージに放置してあるのを勝手に持って行った。
しかし、そこまでするものなのかと思う。
シャッターのない、開けっぴろげの空間とはいえ
そしてその入り口に置いていたとはいえ
彼らはガレージに無断で入ったわけだ。


無邪気な古紙回収業者ならまだいい。
これは何かのサインのように感じられた。


「次はあなたの家に入りますよ。隙を突いて」


持って行った人物がここは油断していると思って
また他の誰かに伝えたり、といったことは容易に起こりえる。
家の中が妙に寒々しく感じられた。
普段立ち入らない物陰に誰かが息を潜めて隠れているような怖さがあった。


妻は前から玄関にセンサーライトを付けたいと言っていた。
帰ってきたときに暗いのは嫌だという。
それが何を恐れていたのか、ようやくわかった。
僕は何をもたもたしていたのだろう。すぐに買わなきゃ。


昨晩は、普段ならリビングに置きっぱなしのノートPCや財布を
籠に入れて寝室に持って行った。
気休めにしかならないけど、これまで余りにも無用心すぎた。


ガレージの荷物もだいぶ片付けたけど、
不要なものはどんどん捨てて空にしてしまわないと。
新聞も捨てるときまで玄関の内側に置いておく。
空き巣に入られてからでは遅い。