問いかけるということ

会社で仕事していて、学校で教えていて、


「なぜそうなったのか、背景を考えてみましょう」
「なぜそうしたいのか、理由を掘り下げてみましょう」


ということをよく言っている。


「なぜ?」っていう視点がとても大事で、
でないと何事も漠然とした気分となってしまう。
理由がはっきりしないことには、周りを動かせない。
ひいては自分を動かせない。
なぜに対してどうする? を問い直すことで考えが深まっていく。


その一方で大切なこと、根源的なことには理由なんてないよな、
なんてことも思う。


「ひとはなぜ生きるのか」
「ぼくはなぜ今ここにいるのか」


問いかけることはとても大事だし、
ひととして生きる以上考え続けなければいけないが、
そこで満足できる答えが出てくることは一生ないだろう。


それが出てきたということは何かを諦めたということでもある。


何かを決めるとは諦めるということ。
答えを出すとは、諦めるということ。
そんなふうにも思う。


…悲観的な意味ではなくて。
言葉がよくないのか。
何かを選んだということは
選ばれなかった何かを視界の外に追いやったということ。
そうしないことには先に進めないということ。
進むということは、何かを背後に置いていくということ。