ダウンロードはCDを駆逐するか '2015

電子書籍が本を駆逐する」
「ダウンロードがCDを駆逐する」
と00年代、脅威として語られた。
実際音楽の方は聴く・買う環境が若い世代を中心に大きく変わったけど
まあそこまではいってなくて、本屋は電子書籍との共存を図りだしたように見える。


このまま電子書籍やダウンロード取って代わられるのかというと
100%そうはならないよなーと思う。それは
「リアルな物として手元に持ちたい」
「本棚やCDラックに自分の好きなように並べたい、ディスプレイしたい」
「単なる活字の束として捉えるのではなく、装丁の凝ったものが嬉しい」
といった欲求が大きいんだけど、


そもそも仕組み的なひずみが社会のどこかにひそんでいる、というのもある。
例えば図書館。電子書籍の貸し出しを始めているところが少しずつ増えている。
先日新聞で見かけた一覧によれば全国で30から40ぐらいだったか。
意外と東京都内には併設する施設がなかったりする。


こちらはまだいいとして、音楽の方はどう実現するか?
どういうデバイスでどういうファイルの規格で、どうダウンロードさせるのか。
そしてそれをどう、「返却」(ファイルの消去)するのか。コピーさせないか。
技術的な課題は多い。単なる視聴とは異なる。
図書館に置かれたCDの少なさや古さ、
図書館のカウンターで使用されているシステムの素朴さを思うと期待はできない。
図書館に貸し出し用のCDは残るだろう。


実際問題、僕が持ってる音源を他の人に貸すとしたら
CDを渡すのが手っ取り早い。というか素人にはそれ以上無理。
Winnyのような手段を除くと)
今この時点では。本だってそう。
つまるところコンテンツを発信する側がいくら電子化を進めたところで
受け取る側が一方的にそれを受け取るだけで横に流通できないうちは
真に普及したとは言えない。
その辺りを解決するには、あと5年ぐらいはかかるのではないだろうか。